起業をしたいけど、どんなビジネスを始めればいいのかわからないという方は多いでしょう。
この記事では、起業アイデアの見つけ方と、思いつかないときの解決策をご紹介します。また、アイデアがビジネスとなった起業家の成功例や、無料で利用できるアイデア発想ツールもご紹介します。
そもそも起業のステップがわからないという方は、ぜひ下記の記事もご覧ください。
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起業アイデアの見つけ方
起業アイデアは、自分の頭の中にあるものではありません。起業アイデアは、外部からインプットした情報や知識を組み合わせて、新しい価値を生み出すものです。
ここでは、どのようにインプットした情報や知識を組み合わせるのか、起業アイデアの見つけ方に役立つ5つの方法を紹介します。
問題解決の視点を持つ
起業アイデアを見つけるには、まず問題解決の視点を持ってみましょう。問題解決の視点を持つということは、自分や周りにある困りごとや不満を見つけて、それに対してどうすれば改善できるか考えることです。
自分が抱えている困りごとや不満は、他の人にも通ずるケースがほとんどです。些細な困りごとであってもそれを解決できる方法があれば、起業アイデアとなる可能性があります。
また問題解決の視点を持つことで、自分が得意な分野や興味がある分野に関連する問題にも気づきやすくなります。
トレンドを追う
起業アイデアは、トレンドから生まれるケースも多く見られます。
トレンドとは社会や市場で流行しているものや注目されているものです。トレンドを追うことで、現在や将来における消費者のニーズや行動パターンを把握できます。
また自分が興味がなかった分野や知らなかった分野に触れる機会が増え、新たなアイデアを見つけることができるでしょう。
既存のアイデアを改良する
起業アイデアを見つけるには、既存のアイデアを改良することも大切です。
既存の商品やサービスに何か付加価値を与えることで、競合他社と差別化を図れます。すでに市場に出ており成功している商品やサービスを分析し、成功の要因を探りましょう。
異業種をかけ合わせる
「農業×IT」「飲食業×タクシー」など、異業種をかけ合わせることによって起業アイデアが生まれることもあります。
自分の業界や分野にはない要素や特徴を取り入れることで、革新的なアイデアを生み出せるでしょう。一見関連のない業界であっても、新たな学びや共通点を見いだせる可能性があります。
ターゲットに話を聞く
自分が価値を提供したいターゲットが決まっている場合、彼らに話を聞くことも有効な手法です。
ニーズや要望、悩みや不安を聞き出すことで、市場の実態やニッチなニーズを探ることができます。思いもよらないニーズを発掘できることもあるため、ターゲットがすでに決まっている方はぜひ聞き取り調査をお願いしてみましょう。
またターゲットに話を聞くことで、自分のアイデアに対するフィードバックや改善点を得ることもできます。
起業アイデアが思いつかないときの解決策
前章では起業アイデアの見つけ方を解説しました。しかし、どうしてもアイデアが思いつかないときはどうすればいいでしょうか?
そんなときに役立つ解決策を以下に紹介します。
情報のインプット量を増やす
起業アイデアが思いつかない人は、情報のインプット量を増やしてみましょう。
アイデアは情報から生まれます。つまり情報が少なければ、自ずとアイデアも少なくなります。情報のインプット量を増やすことで新しい発見や気づきが生まれ、それが起業アイデアにつながる可能性が高まるのです。
情報のインプット量を増やす方法はたくさんあります。例えば、本や雑誌、新聞、ブログ、ポッドキャスト、動画などのメディアを活用したり、セミナーや勉強会、展示会、オンラインコースなどで学習したりすることも有効です。
情報のインプット量を増やす際には、自分の興味や関心のある分野だけでなく、幅広い分野に目を向けることが重要です。自分の知らない世界に触れることで、新たな視点や発想が得られるからです。
人に話してみる
自分だけで考えていても、なかなかアイデアが出てこないときは、人に話してみることがおすすめです。人に話すことで、以下のようなメリットがあります。
- 話すことで自分の考えを整理できる
- 相手の反応や意見からフィードバックを得られる
- 相手の知識や経験から新しい情報を得られる
- 相手の発言からヒントやインスピレーションを得られる
人に話す相手は友人や家族、同僚、上司、コンサルタントなど、誰でも構いません。身近な人に壁打ち相手になってもらうことで、アイデアの種が見つかったり、自分のしたいことに気づけたりといったポジティブな影響を得られるでしょう。
異業種や異文化との交流を持つ
自分と同じ業界や文化圏の人とばかり交流していると、視野が狭くなりがちです。異業種や異文化との交流を持つことで、自分では気づかなかった問題やニーズ、解決策やアイデアに出会うことができます。
異業種や異文化との交流を持つ方法はいろいろあります。例えば、異業種交流会や異文化交流会に参加することです。また、オンラインコミュニティやSNSなどで、自分と違う分野や国の人と繋がることもできます。さらに、旅行やボランティアなどで、現地の人と触れ合うことも有効です。
異業種や異文化との交流を持つ際には、自分の常識や価値観に囚われず、オープンマインドで臨むことが大切です。自分と違う考え方や生き方を尊重し、学びの姿勢で接することで、多様性や創造性を高めることができます。
自分の困りごとから出発する
起業アイデアを見つけるためには、自分の困りごとから出発することも有効です。自分の困りごとは、他の人も同じように困っている可能性が高いからです。自分の困りごとを解決する方法を考えることで、起業アイデアに発展させることができます。
自分の困りごとから出発するためには、まず自分の日常生活を振り返ってみることが必要です。どんなことに不便を感じているか、どんなことに不満を抱いているか、どんなことに悩んでいるかなどをリストアップしてみましょう。その中から、自分だけでなく他の人も共感できるような困りごとを選びます。次に、その困りごとを解決するためにはどうすればいいかを考えます。その際には、既存の解決策ではなく、新しい解決策を思いつくように努めましょう。
アイデアがビジネスとなった起業家の成功例
起業アイデアを見つけることは、起業の第一歩ですが、それだけでは十分ではありません。起業アイデアを実現するためには、市場性や競争力、収益性などを考慮しなければなりません。また、自分の情熱やビジョンに合ったアイデアであることも重要です。
ここでは、起業アイデアがビジネスとして成功した例を紹介します。
関連記事:起業の成功例5選|20代から50代までの事例と共通する特徴を解説
メルカリ
メルカリは、2013年2月1日に山田進太郎氏によって立ち上げられた会社です。山田氏は世界一周の旅を経験し、その中でフリマアプリの利便性や課題を見出し、メルカリを設立しました。
メルカリの使命は、「地球資源が限られているなか、より豊かな社会をつくるために何ができるか」という課題意識から、誰もがやりたいことを実現し、人や社会に貢献する選択肢を増やすことで、あらゆる人の可能性が発揮される世界を実現することです。
メルカリはフリマアプリ事業の急成長によって注目を集めており、その背景には山田氏の世界一周の経験や課題意識があります。
BASE
BASEは、誰でも簡単にオンラインショップを開設できるサービスです。BASEの起業家は、鶴岡裕太氏です。
鶴岡氏がBASEを起業するきっかけとなったのは、母親の言葉でした。「ネットショップを作りたいけど難しくてよくわからない」という言葉から、彼はネットショップ作成の簡素化を目指すサービスを立ち上げました。
2012年にサービスを開始したBASEですが、現在では日本最大級のEコマースプラットフォームに成長しています。
無料で利用できるアイデア発想ツール
起業アイデアを見つけるには、自分の頭だけで考えるのではなく、外部のツールやサービスを活用することも有効です。ここでは、無料で利用できるアイデア発想ツールを紹介します。
MandalArt
MandalArtとは、9×9のマスにキーワードを入力していくことで、アイデアを広げていく方法です。中央のマスにテーマや目標を入れ、その周りに関連するキーワードを入れていきます。そのキーワードをさらに中央にして、同じように関連するキーワードを入れていくと、9×9のマスが埋まっていきます。このようにして、自分の頭の中にある情報を整理し、新しい発想や視点を得ることができます。
MandalArtは、紙とペンで行うこともできますが、オンライン上で利用できるツールもあります。
参考:マンダラート発想法 アイデア出し | WEB CREATES
アイデア生産工場
アイデア生産工場とは、アイデアを出したい単語を入力するだけで、転用、応用、変更、拡大、縮小、代用、置換、逆転、結合といった9つの視点からアイデアを考えることができるWebサービスです。
たとえば「アプリ」という単語を入力した場合、下記のようなアイデアが出力されます。
- 転用(他の使い道):アプリに新しい用途はないか/アプリに他の利用法はないか
- 応用(他からアイデアを借りる):アプリに似た商品の真似をしたら/アプリを共有したら
- 変更(変える):アプリの利用者を変えたら/アプリのデザインを変えたら
- 拡大(大きく):アプリを大きくしたら/アプリの範囲を広くしたら
- 縮小(小さく):アプリの時間を短くしたら/アプリのユーザを絞ったら
- 代用(他のモノに変える):アプリを他の物で代用したら/アプリを代替品にしたら
- 置換(入れ替え):アプリの配置を入替えたら/アプリの目的を入替えたら
- 逆転(逆にする):アプリと○○の役割を変えたら/アプリのメリットを否定したら
- 結合(組み合わる):アプリと○○を組み合わせたら/アプリと真逆のモノを組合せたら
このように、さまざまな視点からアイデア出しのサポートをしてくれます。
起業アイデアは日常の困りごとからも見つけられる
この記事では、起業アイデアの見つけ方と思いつかないときの解決策、そして無料で利用できるアイデア発想ツールを紹介しました。起業アイデアは、自分の頭だけで考えるのではなく、外部の情報やツールを活用することで、より多様で斬新なものになります。ぜひ、これらの方法やツールを試してみてください。あなたの起業アイデアが世界を変えるかもしれません。