起業に伴う14のリスク一覧|具体的なリスクヘッジ方法も解説

当ページのリンクには広告が含まれています。

起業は多くの人にとって夢の一つですが、それには様々なリスクが伴います。起業に成功するためには、これらのリスクを事前に把握し、適切な対策を講じる必要があります。本記事では、起業に伴う14のリスクと、それぞれのリスクヘッジ方法を具体的に解説します。

関連記事:起業するには何をしたらいい?方法や流れ、手続きなど事前準備を解説

目次

リスクなしの起業は存在しない

起業には大きなメリットがあります。自分の好きなことを仕事にできる、自分のビジョンを実現できる、自分のペースで働ける、収入の上限がないなど、魅力的な点は数え切れません。しかし、それと同時に、起業には大きなデメリットもあります。資金面や事業運営面、従業員管理面、プライベート面、法的面など、様々なリスクが起業家に降りかかりますこれらのリスクを完全に回避することは不可能です

しかし、それでも起業したいという人は多いでしょう。そこで重要なのが、リスクヘッジの考え方です。リスクヘッジとは、リスクを予測し、発生した場合に備えて対策を立てることです。リスクヘッジを行うことで、起業家は安心して事業を展開することができます。

起業に伴う14のリスク一覧

ここでは、起業に伴う14のリスクを解説します。

起業時の資金面のリスク

起業時には、事業を始めるために必要な資金を用意する必要があります。しかし、資金面には以下のようなリスクがあります。

起業の準備にコストがかかる

起業の準備には、事業計画書の作成や法人設立費用、オフィスや機材の購入など、様々なコストがかかります。これらのコストは自己資金で賄う場合もあれば、借入や出資で賄う場合もありますが、いずれにしても返済や利息の負担が発生します。また、準備期間中は収入が得られないため、生活費も別途確保する必要があります

起業後にランニングコストがかかる

起業後も、事業を継続するためにはランニングコストがかかりますランニングコストとは、給料や家賃、光熱費、通信費、広告費など、事業運営に必要な経費のことです。これらの経費は売上に見合った水準で抑えることが望ましいですが、売上が伸び悩む場合や赤字に陥る場合もあります。その場合は、資金繰りが悪化し、倒産の危機に陥る可能性もあります。

資金調達が難しい場合がある

起業時や事業拡大時には、自己資金だけでは足りない場合が多く、外部からの資金調達を行う必要があります。しかし、資金調達は簡単なことではありません銀行からの借入は担保や保証人を求められる場合が多く、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの出資は事業計画や将来性を厳しく審査される場合が多くあります

また、資金調達を行うこと自体にもリスクがあります。借入を行う場合は返済能力を見込む必要がありますし、出資を受ける場合は株式や経営権を譲渡する必要があります。これらは事業の自由度や利益率に影響を与える可能性があります。

事業失敗による借金の可能性がある

起業には成功するだけでなく、失敗する可能性もあります。失敗した場合、自己資金や借り入れた資金を返済できないリスクがあります。このような場合、個人の財産や信用にも影響が及びます。

借金のリスクを回避するためには、以下の点に注意しましょう。

  • 事業計画を作成し、収支の見通しを立てる
  • 資金調達の方法や条件を慎重に選択する
  • 返済能力を超える借入をしない
  • 事業の状況に応じて資金繰りを見直す
  • 返済が困難になった場合は早めに相談する

事業運営におけるリスク

起業すると、事業運営において様々なリスクに直面することになります。ここでは、その中でも代表的な3つのリスクについて解説します。

収入が不安定になる

起業家は、従業員と違って固定給をもらえません。売上や利益に応じて収入が変動するため、毎月の収入が不安定になります。特に初期段階では、赤字が続く可能性もあります。収入が不安定になると、生活費や事業費用の支払いに困るだけでなく、将来の計画や投資も難しくなります。

収入が不安定になるリスクを回避するためには、以下のような対策が有効です。

  • 売上や利益の予測を立てて、キャッシュフローを管理する
  • 収入源を複数持って、収入の安定化を図る
  • 必要以上の支出を抑えて、貯金や資産形成をする
  • 保険や公的支援制度を活用して、万が一の備えをする

競合との差別化が難しい

起業家は、自分の事業が他の競合とどう違うかを明確にしなければなりません。競合との差別化ができないと、顧客や投資家から選ばれなくなります。また、競合は常に自分の事業を真似たり、改良したりしてくるため、差別化を維持することも難しいです。

競合との差別化が難しいリスクを回避するためには、以下のような対策が有効です。

  • 自分の事業の強みや弱みを分析して、競合との差異を明確にする
  • 顧客のニーズや満足度を調査して、価値提案やサービス品質を向上させる
  • 独自のブランドやコミュニティを作って、ファンや口コミを増やす
  • 特許や商標などの知的財産権を取得して、模倣や侵害から守る

売掛金の回収が上手くいかない

起業に伴うリスクの一つとして、売掛金の回収が上手くいかないという問題があります。売掛金とは、商品やサービスを提供した後に支払われるべき代金のことで、売上に対する未回収の債権です。売掛金が多くなると、キャッシュフローが悪化し、経営資金に支障をきたす可能性があります。

売掛金の回収が上手くいかない原因は様々ですが、主なものは以下の通りです。

原因・取引先の信用度が低い
・支払い条件や回収方法が明確でない
・請求書の発行や催促のタイミングが遅れる
・回収に対する責任者や体制が不十分である
対策・取引先の信用調査を行い、信用度に応じて支払い条件を設定する
・契約書や見積書に支払い条件や回収方法を明記し、取引先と確認する
・請求書を発行したらすぐに送付し、支払期日に近づいたら催促する
・売掛金の管理や回収を専門に担当する人員や部署を設ける

売掛金の回収は起業家にとって重要な経営課題です。適切な対策を行うことで、資金繰りを安定させ、事業の成長につなげましょう。

従業員管理のリスク

起業家として事業を始めると、従業員を雇う必要が出てきます。しかし、従業員管理には様々なリスクが伴います。ここでは、従業員管理のリスクとその対策について解説します。

雇用を維持する責任がある

従業員を雇うということは、その人の生活を支えるということです。そのため、起業家は従業員の雇用を維持する責任があります。しかし、事業の状況によっては、雇用を維持することが困難になる場合もあります。例えば、売上が減少したり、資金繰りが悪化したり、事業の方向性が変わったりする場合です。このような場合には、従業員の解雇や給与の減額などの措置を取らざるを得ないこともあります。しかし、これらの措置は従業員のモチベーションや信頼を低下させるだけでなく、法的なトラブルにも発展する可能性があります。

雇用を維持する責任を果たすためには、以下のような対策が有効です。

  • 事業計画や予算を作成し、収支やキャッシュフローを管理する
  • 従業員の採用や配置については、事業の将来性や需要に応じて慎重に判断する
  • 従業員との契約内容や労働条件を明確にし、適切に文書化する
  • 従業員の評価や報酬については、公平かつ透明な基準を設ける
  • 事業の状況や方針に変化があった場合は、早期に従業員に説明し、理解と協力を得る

従業員とのトラブルが起きる可能性がある

起業家として、従業員とのトラブルは避けたいものです。しかし、人間関係は複雑で、時には意見の衝突や不満の発散が起こることもあります。従業員とのトラブルは、業務の効率や品質に影響を与えるだけでなく、法的な問題に発展する可能性もあります

従業員とのトラブルを防ぐためには、以下のような対策が有効です。

  • 採用時には、従業員のスキルや性格、価値観などをしっかりと確認し、自分のビジョンや方針に合う人材を選ぶ
  • 就業規則や契約書などを明確に作成し、従業員に周知徹底する。また、給与や評価、昇進などに関する基準や制度も公平かつ透明にする
  • コミュニケーションを大切にし、従業員の意見や要望を聞く機会を設ける。また、フィードバックやアドバイスを適切に行い、従業員の成長をサポートする
  • トラブルが発生した場合は、早期に対処し、事実関係を確認し、双方の立場を尊重しながら解決策を探る。必要に応じて第三者の仲介や調停を利用する

従業員とのトラブルは、起業家にとって大きなストレスや損失になりかねません。しかし、事前に予防策を講じたり、事後に適切な対応をしたりすることで、リスクを最小限に抑えることができます。従業員は起業家の最大の財産です。良好な関係を築くことで、事業の成功につなげましょう。

プライベート面でのリスク

起業は自分の夢を実現するための挑戦ですが、その反面、プライベートな面でのリスクも伴います。以下では、起業家が直面する可能性のあるプライベート面でのリスクとその対策について解説します。

家族の理解が得られない

起業をするときには、家族の理解や協力が不可欠です。しかし、起業に対する家族の反応は様々で、中には反対や不安を示す家族もいるかもしれません。家族との関係が悪化すると、起業家の精神的な負担やストレスが増えるだけでなく、事業にも影響を及ぼす可能性があります

家族の理解を得るためには、まず自分の起業理由や目標を明確に伝えることが大切です。また、起業によって生活がどのように変わるか、どんな困難や危険があるか、どうやって乗り越えるつもりかなど、具体的なプランや見通しを示すことも重要です。さらに、家族に対して感謝や愛情を表現し、協力や応援を求めることも効果的です。

労働時間が長くなる

起業家は自分の時間を自由に使えるというメリットがありますが、それと同時に自分の責任で仕事を管理しなければなりません。特に事業立ち上げ期や成長期には、多くの仕事が発生し、労働時間が長くなりがちです。長時間労働は体力や集中力の低下だけでなく、生産性や創造性の低下にもつながります。また、仕事以外の時間が減ることで、趣味や娯楽、友人や家族との交流など、人生の充実度や幸福度も低下する可能性があります

労働時間を適切に管理するためには、まず自分の優先順位を明確にすることが大切です。どんな仕事が重要で緊急なのか、どんな仕事は他人に任せられるか、どんな仕事は後回しにしても問題ないかなどを考えて、効率的にタスクを処理していきましょう。また、定期的に休憩を取ったり、睡眠時間や食事時間を確保したりすることも重要です。さらに、仕事以外の時間を充実させるためには、趣味や娯楽を楽しんだり、友人や家族とコミュニケーションを取ったりすることも忘れずに行いましょう。

健康管理がおろそかになる

起業家は自分の時間を自由に使えるというメリットがありますが、その反面、健康管理がおろそかになりがちです。自分のペースで仕事をすることは良いことですが、過度な無理や無視は体に大きな負担をかけます。

健康管理をおろそかにすると、事業の成長や継続性にも影響を与えます。起業家は自分の体が最大の資産であるということを忘れてはいけません。健康管理をするためには、以下のような工夫が必要です。

  • 定期的に医療機関で検診を受ける
  • バランスの良い食事や水分補給を心がける
  • 適度な運動や休息を取り入れる
  • 睡眠時間や睡眠環境を整える
  • ストレス発散やリラックス方法を見つける

健康管理は起業家にとって重要な課題です。自分の体を大切にし、仕事とプライベートのバランスを保ちましょう。

法的リスク

起業家として、法律に関する知識や対応力が求められます。しかし、法律は常に変化しており、自分の事業に関係する法令や規制を把握するのは容易ではありません。また、業務上の過失や不注意によって、法的なトラブルに巻き込まれる可能性もあります。法的リスクには以下のようなものがあります。

業務上の過失による業績不振

起業家は自分の事業に責任を持ち、顧客や取引先との契約を守る必要があります。しかし、万が一、契約内容を履行できなかったり、納期や品質に問題があったりした場合、損害賠償請求や信用失墜などのリスクに直面することになります。これは事業の収益や評判に大きな影響を与える可能性があります。

許認可や法改正への対応漏れによるペナルティ

起業家は自分の事業が属する業界や分野に応じて、必要な許認可を取得したり、法改正に対応したりする必要があります。しかし、許認可の申請や更新を怠ったり、法改正の内容を把握できなかったりした場合、罰金や営業停止などのペナルティを受ける可能性があります。これは事業の継続性や信頼性に大きな影響を与える可能性があります。

起業のリスクヘッジ

起業には様々なリスクが伴いますが、それらを完全に回避することは不可能です。しかし、リスクを最小限に抑えるための対策を講じることはできます。ここでは、起業に伴う4つの主要なリスクについて、具体的なリスクヘッジ方法を解説します。

資金面のリスクヘッジ:キャッシュフローを管理する

資金面のリスクは、起業時にも起業後にも発生します。起業時には、事業計画書の作成や法人設立の手続きなどにコストがかかります。起業後には、人件費や広告費などのランニングコストが発生します。また、資金調達が難しい場合や事業失敗による借金の可能性もあります。

これらのリスクを回避するためには、キャッシュフローを管理することが重要です。キャッシュフローとは、現金の収入と支出の流れのことで、事業の健全性を判断する指標です。キャッシュフローを管理するためには、以下のことを行う必要があります。

  • 収支予測を作成し、定期的に見直す
  • 売上や利益だけでなく、現金残高や債務状況も把握する
  • 支出を最小限に抑える
  • 売掛金の回収を早める
  • 資金繰りに余裕を持つ
  • 資金調達の方法やタイミングを検討する

キャッシュフローを管理することで、資金面のリスクを低減し、事業の安定性や成長性を高めることができます。

事業運営のリスクヘッジ:変化に対応できる柔軟性を持つ

起業家として事業を運営する上で、市場や顧客のニーズ、競合の動向など、常に変化に対応しなければなりません。しかし、変化に対応するためには、自分のビジョンや戦略を見直したり、事業モデルやサービスを改善したりする必要があります。これらのことは、時間やコスト、労力などのリソースを消費するだけでなく、自分の信念やプライドを傷つけることもあります。

しかし、変化に対応できないことは、事業の成長や存続に大きなリスクとなります。市場や顧客のニーズに合わないサービスは、競合に取って代わられる可能性が高くなります。また、変化に対応するスピードが遅れると、市場から取り残される危険性もあります。

そこで、事業運営のリスクヘッジとして、変化に対応できる柔軟性を持つことが重要です。柔軟性とは、自分の考えや行動を柔軟に変えられる能力のことです。柔軟性を持つためには、以下のようなことが必要です。

  • 市場や顧客のニーズ、競合の動向などを常に調査し、分析し、理解する
  • 自分のビジョンや戦略を明確にし、それに基づいて事業モデルやサービスを設計する
  • 事業モデルやサービスに対して仮説を立て、検証し、改善するプロセスを繰り返す
  • 自分の考えや行動に固執せず、客観的に評価し、必要に応じて修正する
  • 自分だけでなく、チームメンバーやパートナーなどともコミュニケーションを取り、意見やフィードバックを交換し、共有する

これらのことを実践することで、変化に対応できる柔軟性を高めることができます。柔軟性を持つことは、事業運営のリスクヘッジだけでなく、事業の成長やイノベーションにもつながります。

従業員管理のリスクヘッジ:定期的に研修を実施する

起業家として、従業員は自分の事業の大切なパートナーです。しかし、従業員との関係は常に円滑に進むとは限りません。従業員とのトラブルは、事業の成長を妨げるだけでなく、法的な問題に発展する可能性もあります。

従業員管理のリスクを回避するためには、定期的に研修を実施することが有効です。研修では、従業員のスキルや知識を向上させるだけでなく、事業のビジョンや方針を共有し、チームワークやコミュニケーションを強化することができます。また、研修では、労働法や社会保険などの法令遵守に関する教育も行うことが重要です。これにより、従業員の権利や義務を明確にし、トラブルを未然に防ぐことができます。

研修を実施する際には、以下のポイントに注意しましょう。

  • 研修の目的や内容を事前に従業員に周知する
  • 研修の効果を測定するために、事前テストや事後テストを行う
  • 研修のフィードバックを従業員から収集し、改善点を見つける
  • 研修の頻度や時間を適切に設定し、従業員の負担にならないようにする

定期的に研修を実施することは、従業員管理のリスクヘッジだけでなく、従業員のモチベーションや満足度を高めることができます。起業家として、従業員の成長をサポートし、信頼関係を築くことが大切です。

法律におけるリスクヘッジ:即座に弁護士に相談できる体制を整備する

起業家は、自分の事業に関する法律の知識が不十分な場合が多いです。しかし、法律違反や訴訟などのトラブルは、事業の存続に大きな影響を与える可能性があります。そのため、法的なリスクを回避するためには、即座に弁護士に相談できる体制を整備することが重要です。

弁護士に相談できる体制を整備する方法としては、以下のようなものがあります。

  • 弁護士と定期的にコンサルティング契約を結ぶ
  • 弁護士事務所や法律事務所と提携する
  • オンラインで法律相談ができるサービスを利用する

起業家は自分の事業の規模や内容、予算などに応じて、最適な方法を選択する必要があります。また、弁護士に相談する際は、事前に必要な書類や情報を準備し、具体的な質問や相談内容を明確にすることが望ましいです。

起業成功のカギはリスクを予測し対策を講じること

この記事では、起業に伴う14のリスク一覧とそのヘッジ方法について解説しました。起業はリスクなしでは成り立ちませんが、リスクを予測し、対策を講じることで、事業の成功確率を高めることができます。特に法的なリスクは重大な影響を及ぼす可能性があるため、即座に弁護士に相談できる体制を整備することが重要です。

この記事をシェアする
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次