自分のビジネスを始めるには、市場調査や事業計画、資金調達や法務など、様々な準備が必要です。しかし、すべてを一人で行うのは大変なことです。そこで、起業コンサルタントに相談することが有効な方法の一つとなります。
この記事では、起業コンサルタントのメリットやデメリット、料金相場を紹介します。
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起業時にコンサルタントに相談するメリット
起業コンサルタントに相談することには、以下のようなメリットがあります。
起業をスムーズに進められる
起業コンサルタントは、起業のプロセスや手順を熟知しています。そのため、起業家が抱える疑問や悩みに対して、的確な回答や解決策を提供してくれます。また、起業コンサルタントは、起業家のビジネスアイデアや事業計画を客観的に評価し、強みや弱みを指摘し、改善点や改善方法を提案できます。これにより、起業家は自分のビジネスをより明確に見える化し、効率的に計画を立てて実行できます。
客観的なアドバイスを受けられる
起業家は自分のビジネスに対して情熱や信念を持っていますが、それがかえって盲点になることもあります。自分のビジネスに対して偏った見方をしてしまったり、自分の考えに固執してしまったりすると、市場のニーズや競合の動向などを見落としてしまう可能性があります。そこで、起業コンサルタントに相談することで、客観的な視点からビジネスを分析し、現実的なアドバイスを受けることができます。起業コンサルタントは、起業家の感情や思い入れに左右されず、事実やデータに基づいて意見を述べます。これにより、起業家は自分のビジネスを冷静に見直し、必要な修正や改善を行うことができます。
専門的な意見をくれる
起業コンサルタントは、自分の得意分野や経験豊富な分野に関して、専門的な知識や情報を持っています。そのため、起業家が抱える課題や問題に対して、専門的な意見や解決策を提供してくれます。例えば、補助金や助成金の申請方法や条件、税務や会計の処理方法、法律上の注意点やリスク回避策などです。これにより、起業家は自分のビジネスをより専門的に進めることができます。
起業時にコンサルタントに相談するデメリット
起業コンサルタントに相談することで、多くのメリットが得られることは前述しましたが、一方でデメリットも存在します。ここでは、起業コンサルタントに相談する際の注意点やリスクについて解説します。
費用がかかる
起業コンサルタントに相談する最大のデメリットは、費用がかかることです。起業コンサルタントの料金相場は、後述しますが、一般的には月数十万円から数百万円と高額です。また、契約期間や内容によっては、追加料金や成功報酬などが発生する場合もあります。
コンサルタントに依頼する前には、自分の資金繰りや予算をしっかりと把握し、コストパフォーマンスを考える必要があります。
成果が不確実
起業コンサルタントに相談するもう一つのデメリットは、成果が不確実であることです。コンサルタントは、起業家にアドバイスや指導を行いますが、最終的な決定や実行は起業家自身が行わなければなりません。コンサルタントの提案がどれだけ優れていても、それを実践しなければ意味がありません。
また、コンサルタントの提案が必ずしも正しいとは限りません。市場や競合の動向、顧客のニーズなどは常に変化していますし、予測不能な事態も発生します。コンサルタントは自分の経験や知識をもとに分析や推測を行いますが、それが現実と一致するとは限りません。
具体的な戦術に欠ける場合がある
起業コンサルタントに相談する最後のデメリットは、具体的な戦術に欠ける場合があることです。コンサルタントは、起業家のビジョンや目標を明確化し、戦略や方向性を示すことが得意です。しかし、それを具体的なアクションプランやKPIに落とし込むことは苦手な場合があります。
また、コンサルタントは自分自身がビジネスを運営しているわけではないので、現場の実情や細かい課題に対応できない場合もあります。例えば、マーケティングや営業などの具体的な手法やツール、人材の採用や育成などの人事管理などについて、コンサルタントが十分な知識や経験を持っているとは限りません。
そのため、起業コンサルタントに相談することで、大きな枠組みは作れても、実際にビジネスを展開するための具体的な方法がわからないという状況に陥る可能性があります。コンサルタントに依頼する際には、自分が求める内容やレベルを明確に伝えることが必要です。
起業コンサルタントの料金相場
一般的に、起業コンサルタントの料金は、以下のような要素によって変わります。
- コンサルタントの経験や実績
- 相談内容や目的
- 相談期間や回数
- 契約形態や支払い方法
これらの要素によって、起業コンサルタントの料金は大きく異なるため、一概には言えませんが、参考までに、以下のような相場があります。
料金形態 | 料金相場 |
---|---|
時間単位制 | 1万円~5万円 |
顧問契約制 | 10万円~100万円 |
成果報酬制 | 売上や利益の一定割合(5%~30%) |
プロジェクト型契約 | プロジェクトごとに決める(50万円~500万円) |
ただし、これらの料金はあくまで目安であり、実際にはコンサルタントとの交渉次第で変わることもあります。また、料金だけでなく、コンサルタントが提供するサービスや付加価値も考慮する必要があります。
起業コンサルタントへの依頼が向いている人
起業コンサルタントに相談することで、起業の成功率を高めることができますが、どのような人に向いているのでしょうか?
補助金・助成金の申請を検討している人
起業には多額の資金が必要ですが、国や自治体などから補助金や助成金を受けることができる場合があります。しかし、申請には手続きや書類作成が必要で、時間や労力がかかります。また、審査基準や採択率も厳しいため、自力で申請するのは難しいと感じる人も多いでしょう。
そんなときには、起業コンサルタントに相談することがおすすめです。起業コンサルタントは、補助金や助成金の申請に関する知識や経験が豊富で、申請書の作成や提出を代行してくれます。また、事業計画やビジネスモデルの検討もサポートしてくれるため、審査通過の可能性を高めることができます。
関連記事:女性起業家におすすめの助成金・補助金まとめ|申請時の注意点も解説
特定分野の専門家に相談したい人
起業するにあたっては、自分の得意分野だけではなく、マーケティングや財務、法務など様々な分野に関する知識やスキルが必要です。しかし、すべてを一人で把握するのは難しく、また習得するのにも時間がかかります。そのため、自分の不得意な分野や不安な分野については、専門家に相談することが有効です。
起業コンサルタントは、自分の専門分野だけではなく、幅広い分野に関する知識やネットワークを持っています。そのため、自分に合った専門家を紹介してくれたり、一緒に相談してくれたりします。例えば、税務や会計に関することは税理士に、法律上のことは弁護士に、マーケティングや広告に関することは広告代理店に相談することができます。これにより、自分では解決できない問題や課題をクリアすることができます。
起業コンサルタントを選ぶポイント
起業コンサルタントに相談することで、起業の成功率を高めることができます。しかし、コンサルタントによっては、あなたのニーズに合わない場合や、逆に悪影響を与える場合もあります。そこで、起業コンサルタントを選ぶときには、以下のポイントに注意してください。
専門性と実績を確認する
起業コンサルタントは、様々な分野や業種に対応している場合が多いですが、それでもあなたの事業内容や目標に関連する専門性を持っているかどうかは重要です。例えば、IT系の起業を考えているなら、IT分野に詳しいコンサルタントを選ぶべきです。また、コンサルタントの実績もチェックしましょう。どんなクライアントとどんな成果を出したか、事例や口コミなどを参考にしてください。
コミュニケーション能力や相性を確認する
起業コンサルタントは、あなたのビジネスパートナーとも言えます。だからこそ、コミュニケーション能力や相性が良いかどうかは大切です。コンサルタントは、あなたの意見や要望をしっかりと聞いてくれるか、また自分の意見や提案をわかりやすく伝えてくれるか、確認してください。また、相性も重要です。あなたと信頼関係を築けるか、また気持ちよく仕事ができるかを判断してください。
費用と契約条件を明確に把握する
起業コンサルタントに相談するには、費用がかかります。費用がどのように決まるのか、またどのように支払うのか、明確に把握しておきましょう。一般的には、時間単位や成果報酬型などの料金体系がありますが、コンサルタントによって異なります。また、契約条件も重要です。契約期間や解約条件などを確認しておきましょう。
起業コンサルタントを有効に活用しよう
起業時にコンサルタントに相談することは、メリットとデメリットがあります。それぞれの内容を踏まえ、依頼を検討しましょう。また起業は一人ではなくチームで行うものです。コンサルタントはその一員として、起業家のビジネスをサポートしてくれます。自分に合ったコンサルタントを見つけて、起業の成功に向けて一緒に前進していきましょう。