女性が起業することは、男性に比べてなかなか難しいと思われがちです。しかし、実際には多くの女性が自分の力でビジネスを立ち上げ、社会に貢献しています。女性起業家の成功例を見ることで、自分にもできるかもしれないという希望やモチベーションが湧いてきます。
この記事では、女性起業家の成功例7選と、女性経営者に多い職種や起業アイデアを紹介します。女性ならではの強みや魅力を活かして、自分の夢を実現しましょう。
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女性起業家が少ない理由
女性起業家というと、なかなかイメージしにくいかもしれません。実際、日本の起業家のうち、女性の割合は約24%に過ぎません。
一つの理由は、社会的な役割や期待によるものです。日本では、女性は家庭や育児を優先するべきという考え方が根強く残っています。そのため、女性が仕事に打ち込むことは、周囲から理解されにくい場合があります。また、自分自身も、家族や子どもを顧みないという罪悪感を感じることがあるかもしれません。
もう一つの理由は、資金やネットワークの不足によるものです。起業には、多額の資金や信頼できる仲間やパートナーが必要です。しかし、女性は男性に比べて、経済的な余裕やビジネス関係の人脈が少ない傾向にあります。そのため、起業のチャンスやサポートを得ることが難しい場合があります。
これらの理由から、女性起業家が少ないという現状が生まれています。しかし、それは決して女性が起業に向いていないということではありません。むしろ、女性は独自の視点や感性を持っており、社会に必要な価値を提供できる可能性が高いと言えます。
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女性起業家の成功例7選
ここでは、日本の著名な女性起業家の成功例を紹介します。
南場智子さん(株式会社ディー・エヌ・エー)
南場智子さんは、DeNAの創業者です。南場さんの強みは、失敗をチャンスと捉え、社員に大きな挑戦の機会を提供する点です。チーム構築においては、個々の潜在能力を引き出し、必要に応じてチーム構成を変更する戦略を採用。また、優秀な社員に起業を奨励し、新しい事業の立ち上げを支援することで、DeNA内の起業家精神を促進しています。事業戦略では、組織の枠組みにこだわらず、所属を超えた価値創造を重視し、元社員の経験を活かす柔軟な姿勢を示しています。
彼女の経営における失敗許容と、従業員の裁量権への信頼は、大きな収益増加につながったソーシャルゲーム事業など、数々の成功例を生み出しています。
閑歳孝子さん(Zaim)
閑歳孝子さんは、家計簿アプリ「Zaim」の創業者で、ユーザーの使いやすさに重点を置いたサービス展開を行っています。彼女のビジネス哲学は「人の役に立つものを作りたい」という原動力に基づいており、技術的な複雑さをわかりやすくすることに注力しています。
Zaimの目指す未来は、ユーザーが実現したいことを後押しすることです。閑歳さんは、「人の行動を変える」「多様性を認める」という点を大切にしており、サービスを通じて人生により良い選択肢を発見できるようにサポートすることを目指しています。
近藤麻理恵さん(こんまりメソッド)
近藤麻理恵さんは、整理整頓の専門家です。近藤さんの「こんまりメソッド」は国際的な注目を集めており、彼女の著書『人生がときめく片づけの魔法』は世界40カ国以上で出版され、1400万部を超えるベストセラーとなりました。また、Netflixのドキュメンタリー番組「KonMari〜人生がときめく片づけの魔法〜」は190の国と地域で配信され、エミー賞を受賞しました。その後近藤さんは、アメリカのスタートアップ「KonMari Media, Inc.」の株式を過半数取得し、楽天市場で「KonMari TOKIMEKI LIFEー片づけの先にある、ときめく暮らしー」を開始しています。
寺田千代乃さん
寺田千代乃さんは日本初の引っ越し専業会社「アート引越センター株式会社」の創業者であり、1977年に同社を設立し、社長に就任しました。1990年には社名をアートコーポレーション株式会社に変更し、2004年には東京証券取引所と大阪証券取引所の2部に上場。関西経済同友会の代表幹事や関西経済連合会の副会長も務め、女性として初めてこれらの役職に就きました。また、日本高校野球連盟の理事や日本ユニセフ協会大阪支部理事としても活動し、2020年には住友不動産の監査役に就任しました。
寺田さんの成功の秘訣は、ビジネスに対する先見性です。彼女の会社は日本の引越し業界をリードし、荷造り不要サービスや輸送中の家財殺虫など顧客志向の革新的なサービスを提供しています。
福田恵里さん(SHElikes)
福田恵里さんはSHE株式会社の代表取締役CEOで、オンラインキャリアスクール「SHElikes(シーライクス)」を運営しています。福田さんは女性のキャリア支援に尽力し、周囲と協力して子育てと仕事の両立を実現しています。
また、従業員やユーザーの多様性を考慮した職場環境の整備に取り組んでいます。仕事とプライベートの融合を重視する「ワークライフミックス」を提唱し、オンライン教育モデルのSHElikes(シーライクス)を成功に導きました。彼女の成功は、新しい視点と女性支援へのビジョンから生まれています。
岡田由佳さん(アレルギーヘルスケア)
岡田由佳さんは株式会社アレルギーヘルスケアの代表取締役で、アレルギー対策食品を提供する「もぐもぐ共和国」を運営しています。専業主婦から起業家に転身した彼女は、子どものアレルギー経験を基に事業を開始。当初は多くの困難に直面しましたが、情熱と努力で商品供給元を確保し、メディアを利用した効果的なPRで売上を伸ばしました。2003年のテレビ番組での商品紹介後、注文急増に対応するためシステムと物流倉庫を大手企業に変更しました。彼女の成功は、強いビジョンと柔軟な対応によるものです。
櫻本真理さん(コーチェット)
櫻本真理さんは、株式会社cotreeと株式会社コーチェットの代表取締役として、メンタルヘルスケアとコーチングに焦点を当てたビジネスを展開しています。彼女の経営哲学は「人の力を活かす」ことに根差しており、人々の可能性を引き出し、力を与える関わり方を重視しています。特に、人間関係に悩む人々やメンタルヘルスの不調を抱える人への支援に重点を置き、影響力を持つ人々が人を育てる関わり方を学ぶ場を提供しています。
また、コーチングカンファレンスの主催も行い、コーチングを通じて社会全体の成長と変化を目指すビジョンを持っています。櫻本さんの成功は、メンタルヘルスとコーチングにおける深い洞察と、これらの分野での影響力を持つ人々を育成することに基づいています。
成功する女性起業家の共通点
女性起業家の成功例を見てきましたが、彼女たちにはどのような共通点があるのでしょうか?ここでは、成功する女性起業家の特徴や心構えを5つ紹介します。
行動力がある
成功する女性起業家の一つ目の共通点は、行動力があるということです。起業には、自分のアイデアやビジョンを実現するために、積極的に動くことが必要です。しかし、女性は男性に比べて、自信がなかったり、周囲の目を気にしたり、リスクを避けたりする傾向があります。これでは、チャンスを逃してしまう可能性が高くなります。
成功する女性起業家は、自分の夢や目標に向かって、迷わず行動することができます。彼女たちは、失敗や挫折を恐れずに、チャレンジし続ける姿勢を持っています。
自己肯定感が高い
成功する女性起業家の二つ目の共通点は、自己肯定感が高いということです。自己肯定感とは、自分自身を尊重し、価値があると認める感情のことです。自己肯定感が高い人は、自分の能力や魅力を認めることができます。また、他人からの批判や否定にも動じない強さを持ちます。
起業には、自分の考えや判断に責任を持つことが求められます。自己肯定感が低い人は、自分に自信がなく、常に不安や劣等感に悩まされます。これでは、起業のストレスに耐えられません。成功する女性起業家は、自分を信じて、ポジティブに考えることができます。
継続力がある
成功する女性起業家の共通点として、継続力があるということが挙げられます。継続力とは、目標や計画を達成するために、一貫して行動し続ける力のことです。起業には、長期的な視点で物事を考えることが必要です。一時的な成功や失敗に惑わされずに、コツコツと努力することが大切です。しかし、女性は男性に比べて、気分や感情に左右されやすい傾向があります。これでは、気力や集中力が続かなくなります。
成功する女性起業家は、自分の目標や理想に忠実であり続けます。彼女たちは、困難や障害にもめげずに、諦めないで挑戦し続ける粘り強さを持っています。
自己決定能力がある
成功する女性起業家のひとつの特徴は、自己決定能力があることです。自己決定能力とは、自分の意思や価値観に基づいて、自分の人生に関する重要な選択をする能力のことです。自己決定能力がある女性起業家は、他人の意見や評価に左右されずに、自分のビジョンや目標に向かって進むことができます。また、自己決定能力がある女性起業家は、自分の強みや弱みを客観的に把握し、必要なスキルや知識を身につけることができます。
プラス思考で学ぶ姿勢を持っている
成功する女性起業家は、プラス思考で学ぶ姿勢を持っています。プラス思考とは、物事を肯定的に捉えることです。プラス思考で学ぶ姿勢を持っている女性起業家は、失敗や挫折を恐れずにチャレンジすることができます。また、失敗や挫折から学びを得て、自分の成長につなげることができます。プラス思考で学ぶ姿勢を持っている女性起業家は、常に新しい知識や情報を求めて、自分のビジネスに活かすことができます。
女性におすすめの起業アイデア
ここでは、女性におすすめの起業アイデアを3つ紹介します。それぞれ、女性ならではの趣味や経験、美的センスや感性、スキルを活かすことができるビジネスです。これらの起業アイデアは、資金や人脈が少なくても始めやすく、自分のライフスタイルに合わせて柔軟に働くことができます。
女性の起業アイデアをもっと知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
関連記事:女性におすすめの起業アイデア7選|職種選びのポイントも解説
趣味や経験を活かすなら|ブロガー
ブロガーとは、自分の好きなテーマや知識をブログに書いて発信する人のことです。ブログには、アフィリエイト広告やGoogle広告などを貼ることで収入を得ることができます。また、自分のブランドや商品を紹介したり、オンラインコースや電子書籍などを販売したりすることもできます。
ブロガーになるメリットは、自分の趣味や経験を仕事にすることができることです。自分が興味や関心のあることを書くことで、読者と共感や信頼を築くことができます。また、自分のペースで書くことができるので、時間や場所に縛られずに働くことができます。
美的センスや感性を活かすなら|Webデザイナー
Webデザイナーとは、WebサイトやWebアプリケーションのデザインを行う人のことです。Webデザイナーは、クライアントの要望や目的に合わせて、レイアウトや色彩、フォントなどの視覚的な要素を決めています。また、ユーザーの使いやすさや魅力を考えて、UI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)の設計も行います。
Webデザイナーになるメリットは、自分の美的センスや感性を活かして創造的な仕事ができることです。Webデザインは常に進化している分野なので、新しい技術やトレンドに触れる機会も多くあります。また、Webデザイナーはフリーランスや在宅ワークも可能な職種なので、自分の好きな場所や時間で働くことができます。
スキルを活かすなら|代行ビジネス
代行ビジネスとは、他人の代わりに何かを行うビジネスのことです。代行ビジネスには、買い物代行、掃除代行、ペットシッター代行、引越し代行、家事代行、書類作成代行など様々な種類があります。
代行ビジネスで起業するメリットは、自分のスキルを活かして需要の高い仕事ができることです。代行ビジネスは、忙しい人や困っている人にとって便利なサービスなので、多くのお客様から感謝されることもあります。また、代行ビジネスは自分で料金や時間を設定できるので、自分のライフスタイルに合わせて働くことができます。
女性起業家の成功例からロールモデルを探そう
この記事では、女性起業家の成功例7人と、その共通する特徴や起業アイデアを紹介しました。女性起業家が少ない理由は、社会的な制約や自信の欠如などが挙げられますが、それを乗り越えて活躍する女性たちもいます。
女性起業家になることは決して簡単ではありませんが、挑戦する価値は十分にあります。自分の夢や目標を実現するために、今日から一歩ずつ進んでみましょう。