起業というと、経験や知識が豊富な人が行うものだと思われがちですが、実は未経験からでも起業することは可能です。そこで本記事では、未経験から起業する流れやおすすめの業種、成功させるためのポイントを解説します。起業に興味がある方はぜひ参考にしてください。
関連記事:起業するには何をしたらいい?方法や流れ、手続きなど事前準備を解説
未経験から起業する流れ
未経験からの起業で成功するためには、以下のような流れをしっかりと踏む必要があります。
1. 起業の目的を明確化する
起業するには、まず自分の目的を明確にすることが大切です。なぜ起業したいのか、どんな価値を提供したいのか、どんなビジョンを持っているのか、自分自身に問いかけてみましょう。起業の目的が明確であれば、モチベーションや方向性を保つことができますし、他者にも自分の想いを伝えやすくなります。
2. ビジネスモデルを決定する
次に、自分の提供する価値に対して、どのように収益を得るか、つまりビジネスモデルを決定することが必要です。ビジネスモデルとは、商品やサービスの価格設定や販売方法、コスト構造や収益源などをまとめたものです。ビジネスモデルを決める際には、市場のニーズや競合の状況を分析し、自分の強みや差別化点を考えることが重要です。
3. 資金調達を行う
ビジネスモデルが決まったら、事業を開始するために必要な資金を調達することが必要です。資金調達の方法は様々ですが、一般的には以下のようなものがあります。
- 自己資金:自分で貯めたお金や家族や友人から借りたお金など
- 借入:銀行や信用金庫などから融資を受けること
- 助成金・補助金:国や地方自治体などから事業に対して支援されるお金
- クラウドファンディング:インターネット上で多くの人から資金を集めること
- エンジェル投資:個人投資家から資金とアドバイスを受けること
- ベンチャーキャピタル:専門的な投資会社から資金とアドバイスを受けること
資金調達の方法は事業の規模や内容によって異なりますが、どれもメリットとデメリットがあります。自分の事業に合った方法を選ぶことが大切です。
関連記事:起業に使える資金調達方法まとめ|それぞれのメリットや資金調達の注意点も
4. 法的手続きを進める
起業するには、法的な手続きが必要です。まず、事業の形態を決める必要があります。事業の形態には、個人事業主、合同会社、株式会社などがあります。それぞれにメリットとデメリットがありますので、自分の事業に合ったものを選びましょう。
次に、開業届や税務登録などの必要書類を作成し、提出します。開業届は、市区町村役場に提出するもので、開業日から2週間以内に行う必要があります。税務登録は、国税庁や地方税事務所に提出するもので、開業日から1か月以内に行う必要があります。また、事業の形態によっては、商業登記や社会保険の加入なども必要になります。
5. 事業を開始する
法的手続きが終わったら、いよいよ事業を開始します。事業を開始するには、以下のようなことを行う必要があります。
- 商品やサービスの開発や改善
- 販売チャネルや集客方法の構築
- 顧客管理やアフターサービスの提供
- 経理や財務管理の実施
- 人材の採用や教育
事業を開始したからといって、すぐに利益が出るとは限りません。最初は赤字が続くこともあります。しかし、諦めずに継続して努力することが大切です。また、市場や顧客のニーズは常に変化しています。その変化に対応できるように、常に情報収集や分析を行い、自分の事業を見直しましょう。
起業未経験者におすすめの業種
起業を考えている方の中には、未経験からでも始められる業種を探している方も多いでしょう。ここでは、未経験からでも挑戦しやすい業種として、以下の5つを紹介します。
フランチャイズビジネス
フランチャイズビジネスとは、既に成功している企業のブランドやノウハウを利用して、自分で店舗を運営するビジネスです。フランチャイズ本部からは、開店支援や教育研修、商品供給や広告宣伝などのサポートを受けられます。そのため、未経験者でも安心して事業を始められます。
フランチャイズビジネスのメリットは、以下のような点が挙げられます。
- ブランド力や集客力が高い
- 事業計画や運営方法が確立されている
- 本部からのサポートが充実している
一方で、フランチャイズビジネスのデメリットは、以下のような点が挙げられます。
- 加盟金やロイヤリティなどの費用がかかる
- 本部の規定に従わなければならない
- 独自性や創造性を発揮しにくい
フランチャイズビジネスは、未経験者でも比較的安定した収入を得られる可能性が高いですが、自分の思い通りに事業を展開することは難しいかもしれません。自分の目指すビジネススタイルと合っているかどうか、よく考えて選ぶことが大切です。
オンラインショップ運営
オンラインショップ運営とは、インターネット上で商品やサービスを販売するビジネスのことです。
オンラインショップ運営のメリットは、以下のような点が挙げられます。
- 店舗や在庫を持たなくても販売できる
- 顧客層を広げられる
- 時間や場所に制約されない
一方で、オンラインショップ運営のデメリットは、以下のような点が挙げられます。
- 競合が多いこと
- 集客や販売促進に工夫が必要
- 顧客との信頼関係の構築が難しい
オンラインショップ運営は、未経験からでも始められるビジネスですが、成功するためには、市場や競合の動向を把握し、顧客のニーズに応える商品やサービスを提供することが重要です。また、オンラインショップのデザインや機能は、使いやすさや見栄えにも影響するので、こまめに改善していくことが必要です。
Web系職種
Web系職種とは、Webサイトやアプリの開発・運営・管理などを行う仕事のことです。Web系職種には、プログラマーやデザイナー、エンジニア、マーケターなどが含まれます。
Web系職種は、未経験から起業するにはおすすめの業種の一つです。なぜなら、以下のようなメリットがあるからです。
- 需要が高く、市場規模が大きい
- スキルや経験を身につければ、高収入を得ることが可能
- 在宅やフリーランスで働くことができる
- 自分のアイデアや創造力を活かすことができる
しかし、Web系職種には以下のようなデメリットもあります。
- 技術や知識の更新が必要で、勉強が絶えない
- 競合が多く、差別化が難しい
- クライアントやユーザーの要望に応えるために、納期や品質に厳しい
- トラブルやクレームに対処するスキルが必要
Web系職種で起業するためには、自分の得意な分野や興味のある分野を見つけることが重要です。未経験者の場合、独学やスクールでスキルを学ぶ必要があります。
SNS運営代行
SNS運営代行とは、企業や個人のSNSアカウントの管理や投稿を代わりに行うサービスです。SNSは、ブランディングや集客、ファンづくりなどに効果的なツールですが、運用には時間やスキルが必要です。そこで、SNS運営代行を利用することで、専門的な知識や経験を持ったプロに任せることができます。
SNS運営代行のメリットは、以下のようなものがあります。
- 自分の時間を有効に使える
- 専門家のアドバイスや分析を受けられる
- 効果的なSNS戦略を立てられる
- フォロワー数やエンゲージメントを増やせる
- 自社の商品やサービスの認知度や信頼度を高められる
SNS運営代行のデメリットは、以下のようなものがあります。
- 費用がかかる
- 自分の声や個性が伝わりにくい
- コミュニケーションやフィードバックが必要になる
- 契約期間や内容に制限がある場合がある
- 信頼できる業者を見つけるのが難しい場合がある
SNSでのプロモーションが加速している現代では、SNS運営代行は注目のビジネスです。まずは個人でSNSを運営し、実績を作ることでクライアントの信頼を獲得できます。
コーチング業
コーチングとは、クライアントの潜在能力を引き出し、目標達成に導く支援を行うことです。コーチング業は、未経験から起業するにはおすすめの業種のひとつです。なぜなら、以下のようなメリットがあるからです。
- 資金が少なくても始められる
- 自分の得意分野や興味のあるテーマで活動できる
- オンラインでコーチングを提供することで、場所や時間にとらわれずに仕事ができる
- クライアントの成長や感謝を直接感じることができる
しかし、コーチング業には以下のようなデメリットもあります。
- コーチングのスキルや知識を身につけるためには、研修や資格取得に時間とお金がかかる
- クライアントを獲得するためには、自分の価値やサービスを効果的にPRする必要がある
- クライアントの問題や感情に巻き込まれないように、自己管理やメンタルケアが重要になる
コーチング業は、未経験からでも始められる魅力的なビジネスです。しかし、成功するためには、コーチングのスキルや知識だけでなく、マーケティングや経営の面も考える必要があります。自分の強みや価値を見つけて、クライアントのニーズに応えることができれば、コーチング業で活躍することができるでしょう。
未経験からの起業を成功させるポイント
起業は誰でもできると言われていますが、実際には多くの困難や挫折が待ち受けています。特に未経験から起業する場合は、知識や経験が不足していることがハンデになります。しかし、それを乗り越えて成功するためには、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
起業の目的を明確にする
起業するには、まず自分の目的を明確にする必要があります。なぜ起業したいのか、どんな価値を提供したいのか、どんなビジョンを持っているのか、といったことを自問自答してください。起業の目的が明確であれば、それに沿った行動や判断ができますし、困難に直面したときも諦めずに続けることができます。また、起業の目的は自分だけでなく、関係者や顧客にも伝えることが重要です。それによって信頼や共感を得ることができますし、協力者やファンを増やすことができます。
市場と競合のリサーチを徹底する
起業する前には、市場と競合のリサーチを徹底的に行うことが必要です。市場と競合のリサーチを行うことで、以下のようなメリットがあります。
- 市場の規模や成長性、ニーズやトレンドを把握できる
- 競合の強みや弱み、戦略や差別化要素を分析できる
- 自分の商品やサービスの価値やポジショニングを決めることができる
- 市場ニーズに応えるための商品開発やマーケティング戦略を立てられる
市場と競合のリサーチは一度だけではなく、定期的に行うことが望ましいです。市場や競合は常に変化していますし、新たな情報やインサイトを得ることができます。
実現可能な事業計画を立てる
起業するには、自分のビジネスモデルが実現可能かどうかを検証する必要があります。実現可能な事業計画とは、市場のニーズに合致し、競合との差別化ができるものです。また、収支のバランスや資金繰りも考慮する必要があります。
実現可能な事業計画を立てるためには、以下のステップを踏むことをおすすめします。
- 市場調査を行い、自分のターゲット層や競合他社を把握する
- 自分の強みや弱み、機会や脅威を分析する(SWOT分析)
- 自分の商品やサービスの価値提案を明確にする
- 収益モデルやコスト構造を設計する(ビジネスモデルキャンバス)
- 事業計画書を作成し、目標や戦略、予算などを具体化する
実現可能な事業計画を立てることで、起業の成功率を高めることができます。また、事業計画は定期的に見直し、市場の変化に対応できるように更新することが重要です。
小規模からスタートし、リスクを管理する
起業未経験者は、大きなリスクを背負って一気に事業を拡大しようとすることがありますが、これは失敗のもとです。起業は試行錯誤の繰り返しであり、最初から完璧なものを作ろうとすると時間や資金が無駄になります。
小規模からスタートし、リスクを管理するためには、以下のことを心がけましょう。
- 最小限の投資で最小限の製品やサービスを作り、顧客の反応をテストする(ミニマム・バイアブル・プロダクト)
- 顧客から得たフィードバックやデータをもとに製品やサービスを改善していく(リーン・スタートアップ)
- 自分の能力や資金力に合わせて事業規模やペースを調整する
- 失敗したときに備えて、リスク回避策や退路を用意しておく
小規模からスタートし、リスクを管理することで、起業の失敗コストを低減することができます。また、顧客ニーズに応える製品やサービスを開発することができます。
市場のニーズを理解し、それに応じて柔軟に対応する
起業するにあたって、市場のニーズを理解し、それに応じて柔軟に対応することが大切です。市場は常に変化しています。顧客のニーズも変わっていきます。そのため、起業家は自分の事業を固定化せずに、市場の変化に合わせて商品やサービスを改善したり、新しい価値を提供したりする必要があります。
柔軟に対応する方法としては、以下のようなものがあります。
- フィードバック収集:顧客からのフィードバックを定期的に収集し、商品やサービスの改善点や新たなニーズを見つけ出す
- 仮説検証:市場に対して仮説を立てて実験し、その結果から学ぶ。仮説検証は素早く行い、失敗してもすぐに次の仮説に移る
- 最小限の製品(MVP):最低限必要な機能だけを持った製品(MVP)を作って市場に投入し、顧客の反応やデータから学ぶ。MVPは継続的に改良していく
市場のニーズを理解し、それに応じて柔軟に対応することで、起業家は自分の事業を成功させることができます。市場と顧客とのコミュニケーションを大切にしましょう。
起業未経験者は自分に合ったビジネスモデルの選択が重要
この記事では、未経験から起業する流れやおすすめの業種、成功ポイントについて解説しました。
起業は決して簡単なことではありませんが、目的を明確にし、市場のニーズを捉え、リスクを管理しながら事業を展開すれば、成功の可能性は高まります。また、フランチャイズビジネスやオンラインショップ運営など、未経験者でも始めやすい業種もありますので、自分に合ったビジネスモデルを選ぶことも重要です。
未経験からの起業に挑戦したい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。