今回は文章の型の一つである「SDS法」について紹介します。
「話がうまく相手に伝わらず、“だから何が言いたいの?”と言われる」
「読み手にわかりやすい文章を書きたいけど、どのように書いたらいいのかわからない」
このようにお悩みではないでしょうか?
そんなあなたに文章の型を使うことをおすすめします。
文章の型を使えば、相手にわかりやすく伝わるからです。
ビジネスやライティングの場面で役に立つ例文も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
SDS法とは概要を最初に伝える文章構成の型
SDS法とは「概要→詳細→概要」の順で作られる文章構成の型のことです。
- Summary(概要)最初に話の概要・要点を伝える。
- Details(詳細)概要の詳細を述べる。
- Summary(概要)改めて話の概要・要点を伝える。
(Summary)和歌山県産のみかんはおいしい。
(Details)ここのみかんは甘さと酸っぱさのバランスが素晴らしい。皮もむきやすくて食べやすいしね。
(Summary)和歌山県産以外のみかんは食べられなくなるくらいおいしいの。
このように「概要→概要の詳細→概要」と続く文章構成がSDS法です。
SDS法が相手に伝わりやすい理由
SDS法はなぜ伝わりやすいのでしょう?
理由は2つ。
- 要点を最初に伝えるから
- 話に無駄がないから
話の要点を最初で伝える
要点や結論を最初に言うことで、相手は話のイメージがつかみやすくなります。
先の例文では最初に「和歌山県産のみかんはおいしい」と言うことで、相手は「みかんの話をするのだな」と大体の話の予想がつきます。
もしもD(詳細)が先にきたら
「甘さと酸っぱさのバランスが……」
→(なんの話?)
「和歌山県産のみかんが……」
→(最初にそれを言ってよ)
となりますよね。
何について話すのかを最初に伝えることで、相手も話の受け入れ態勢が整い、続く詳細の内容を理解しやすくなるのです。
話にムダがない
SDS法は話にムダがないので、届けたい内容が伝わりやすくなります。
最初に要点を伝えるので「だからどういうこと?」「わかりにくいからもう一度説明して」というやりとりがなくなるのです。
Webライティングの場合でも、SDS法で書かれた文章はムダがないので、読者は一度読んだだけで話の内容が理解できます。
逆に言いたいことが冒頭に書かれていない記事は、答えを探すのが面倒になり、別のサイトへ飛んでしまうということはありませんか?
SDS法の文章なら読者の求めている答えが最初に書かれているので、可読性があがります。
SDS法を使うと話にムダがなく、相手に伝わりやすくなります。
SDS法を使うメリット
SDS法を使うメリットは3つあります。
- 時間のロスが減る
- コミュニケーションがとりやすくなる
- 記事が読まれやすくなる
お互い時間のロスが少ない
SDS法を使うとお互いに時間のロスがなくなります。
一度の会話で話の内容が伝わるので、何度も説明をする手間が省けるからです。
時間が勝負のビジネスの場面では、必要な情報をできるだけ早く・ムダなく届けたいですよね。
SDS法を使えばお互いに時間のロスがなくなり、時間を有効に使えます。
コミュニケーションがとりやすくなる
SDS法で会話をすると、コミュニケーションがとりやすくなります。
話が伝わりやすくなるので相手にストレスを与えず、お互いの意思疎通がうまくできるようになるからです。
相手が理解してくれることで、こちらも話しやすくなるというメリットもあります。
その結果コミュニケーションがうまくいきます。
記事が読まれやすくなる
SDS法で書かれたブログなどの記事は、読者に読まれやすくなります。
冒頭の部分で内容のポイントが書かれていると、読者は「自分の探している記事が書かれているのだな」と理解するからです。
結果として、読者は最後まで離脱せず読み進めていくようになります。
SDS法を使うことによって、記事が読まれやすくなるというメリットがあります。
SDS法のテンプレートを使った例文
SDS法がよく使われる3つの場面の例文を紹介しますので、参考にしてみてください。
- ブログ記事
- 自己PR
- プレゼン
ブログ記事
S
今回はお風呂掃除を楽にする「オフロラクーン」について紹介します。
D
「オフロラクーン」はバスタブを擦らなくても、汚れを落としてくれるお風呂洗剤です。
バスタブについたざらざらした汚れは皮脂汚れや目に見えない小さなごみと、水道水のカルシウムが混じり合ったもの。
本来なら洗剤を使って擦らなければ汚れは落ちません。
しかしこの「オフロラクーン」はカルシウムと汚れのこびりつきを擦らずに落とします。
バスタブについた汚れは酸性なので、反対の性質を持つ弱アルカリ性の「オフロラクーン」が中和してくれるのです。
S
このように「オフロラクーン」を使って掃除をすると、擦らずあっという間によごれが取れます。
あなたの掃除の手間をなくし、自分時間を増やします。
自己PR
S
私には調整力があります。
D
大学時代、新入生歓迎サークルに所属しておりました。
そこで企画に対する考え方の違いで、メンバー同士が対立することがあったのです。
どちらにも言い分があるけれど、伝え方が間違っているのだと思い、私が仲裁に入りました。
両者の気持ちを代弁することで、お互いに納得ができたという経験は私にとって大変勉強になりました。
S
この調整力を貴社でも生かし、社内外でのチームワークに貢献していきたいと思っております。
プレゼン
S
当社は自動刺しゅうの機能を持った、子ども向けおもちゃミシンを販売いたします。
D
このミシンは小学校4年生の子どもが使うことを想定しています。
低速でもパワーがあるので、厚地の布地でも問題なく縫えます。
そして難しいとされる糸調子を自動に行うので、調節する必要がありません。
刺しゅうに使うキャラクターは、今小学生に大人気の「すめしちゃん」を採用いたしました。
ボタン一つでイラスト刺しゅうが刺せます。
S
当社はこのおもちゃミシンを5,980円で販売する予定です。
PREP法・ホールパート法との違い
SDS法と比較されやすいPREP法とホールパート法。
違いについて解説します。
PREP法とは
PREP法とは結論→理由→事例→結論の順で作られる文章の型です。
(Point)結論
パティスリースメシのケーキは美味しいのよ。
(Reason)理由
なぜなら最高級の材料を使っているから。
(Example)事例
フランス産の発酵バターと、小麦粉は北海道産の「ハルガキター」を使っているのよ。
(Point)結論
だからパティスリースメシのケーキは美味しいの。
PREP法は理由を入れることで、説得力を高めます。
関連記事:PREP法とは?プレゼンや文章構成に使える具体的な例文をご紹介!
ホールパート法とは
ホールパート法とは、ホール(全体)→パート(部分)→ホール(全体)で作られる文章の型です。
(ホール)全体
美味しいご飯を炊くには3つのポイントがあります。
(パート)部分
- 水加減
多過ぎず少なすぎず。ここはしっかりと守りましょう。 - 給水時間
炊飯をする前に給水させます。夏は30分、冬は1時間程度を目安に。 - 蒸らし
ご飯が炊けたら、しばらく蒸らします。水っぽくなるのを防ぎます。
(ホール)全体
このように3つのポイントを押さえれば、美味しいご飯が炊けますよ。
SDS法と似ていますが、説明したい内容が複数ある時に使います。
SDS法・PREP法・ホールパート法の使い分け方
どれも相手に伝わりやすい型ですが、使い分けをするとさらに説明力がつきますよ。
それぞれの構成に合ったシーンは次のとおりです。
文章構成 | 使い方 | 使うシーン |
SDS | 相手に理解をしてもらいたい時に使われます。 | 自己紹介やプレゼン、スピーチやセミナーなど |
PREP | 主張を論理的に説明したい場合に使います。 | プレゼンやブログ記事、上司を説得させたい場合など。 |
ホールパート法 | 伝えたいことが複数ある場合に使います。 | セールスポイントが複数ある商品のプレゼン、上司への報告内容が複数ある場合など |
ライティングやビジネスでSDS法を使ってみませんか?
今回はSDS法について解説しました。
SDS法を使うと、相手に話が伝わりやすくなります。
日頃から練習しておくと、プレゼンやライティングがやりやすくなりますよ。
ぜひSDS法を習得して、相手に伝わる心地よさを味わってくださいね。