「『てにをは』がおかしい」「もっと『てにをは』を意識して」と言われてお悩みではありませんか?
「てにをは」について考えるときのキーワードは「重要性」です。
この記事ではそもそも「てにをは」とは何か、また「てにをは」の正しい使い方について紹介します。
「てにをは」を練習する方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
「てにをは」とは、助詞の総称
「てにをは」とは、助詞の総称です。
助詞とは「〜を〇〇する」における「を」や「〜が〇〇した」における「が」など、主語と述語の関係性を示したり「~と~が〇〇に行った」など、主語と主語を連結したりするなどの役割をもつ言葉です(実際助詞はもう少し種類があります。しかしとりあえず「てにをは」を理解するには「主語の後ろに来る言葉が助詞」という認識で問題ありません)。
主語と述語をつなぐ助詞が間違っていると文章が違う意味に変わってしまったり、正しいニュアンスで伝わらなくなったりしてしまいます。
Q:助詞のことを「てにをは」という理由
A:「てにをは」の語源は漢文にあります。
漢文は漢字ばかりの言語ですよね。つまり漢文を和訳する際は漢字と漢字の間を仮名でつなぐ必要があったのです。
昔の人は漢字に点を打つ事でスムーズに漢文を読めるよう乎古止点(をことてん)と呼ばれるルールを決めました。
乎古止点とは点の位置によって、助詞が変わるようなルールです。
出典:https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E4%B9%8E%E5%8F%A4%E6%AD%A2%E7%82%B9/
「てにをは」の使い方
「てにをは」の使い方を、間違えやすい使われ方を比較するかたちで紹介します。
「重要性」に着目すると、てにをはの使い分け方が見えてきます。
「は」と「が」の使い分け
「は」と「が」は対比に重要性があるのかどうかによって使い分けましょう。
対比が(根底にでも)ある場合は「は」、ない場合は「が」を使います。
例えば「責任者は誰だ!」となったシチュエーションにて、
A「私はアルバイトです」
B「私が責任者です」
C「私は部外者です」
上の例ではA「私はアルバイトです」ということでアルバイトと責任者を対比させて、責任者ではないことを暗に示しています。
C「私は部外者です」も同様に「私は部外者です(だから責任者じゃないよ)」と主張したいわけです。
つまり他の選択肢と分別するための情報を与えることが「は」の役割なのです。
対してB「私が責任者です」の「が」は対比ではなく、「私=責任者」という情報そのものが大きな意味をもつときに使われます。
上の例で「私は責任者です」というと、少し他人事のような感じが出ますよね。
「は」は対比以上の強さを持たないからです。
ここで「てにをは」を間違えている例を紹介します。
A「私はアルバイトです」
B「私は責任者です」
C「私が部外者です」
正しい「てにをは」が使われないことで、Bの存在がぼやけてしまい、Cが一番強調されてしまっているのですね。
「で」と「が」の使い分け
「で」と「が」は話者の主語に対する重要性によって使い分けます。
重要性が低い場合は「で」、重要性が高い場合は「が」を使います。
「ラーメンでいい」
「ラーメンがいい」
例えばこの2つは話し手の主語への重要度(この場合「ラーメン」への思い入れ)が違います。
うっかり重要性の高いものに対して「で」を使わないようにしましょう。違うニュアンスで伝わってしまいます。
「てにをは」を正しく使うための3つの方法
「てにをは」を正しく使うために重要なことは感覚を身につけることです。
「てにをは」は文章の中かなりの頻度で登場するため、いちいち調べていられないからですね。
ここからは感覚を身につけるための3つの方法を紹介します。
- 本を読む
- 見直す際には音読する
- 文章を添削してもらう
本を読む
正しい「てにをは」の感覚を身につけるためには、まず正しい文章に触れるところから始めましょう。
メディアとしての性質上、Web記事よりも書籍のほうが日本語として正しい場合が多いので、書籍の文章にたくさん触れるのです。
本当は音読するのが一番おすすめですが、周りの目が気になるときは黙読でも大丈夫。
見直す際には音読する
実際に文章を書く際には本で身につけた感覚で「違和感がないように」書いていきましょう。
文章を見直すときのコツは音読すること。
書いているときは違和感がないと思っていても、実際書いた文章を音読してみると違和感に気がつく場合も多いからです。
文章を添削してもらう
自分の文章を他の人に添削してもらうのもおすすめです。
自分では「違和感がない」と思っていても、他人が読んだら「癖があるな」と感じる場合も多いからです。
本を読むことで認識のズレを防ぐことももちろん可能ですが、個人のセンスに依存するので限界があります。
正しい「てにをは」で信頼される文章を書きましょう
正しい「てにをは」を使えるようになると、信頼されるようになります。
もちろん「てにをは」が使えるからといって「おお!すごい!!」とはなりません。
ただ「てにをは」に違和感を持たれると、文章の中身がどれだけ良くても内容が読者に入らなくなってしまうのです。
「てにをは」の間違いは、大きなマイナスになってしまうのですね。
その点「てにをは」が正しく使えていると、文章の中身での判断になるので信頼されやすくなるのです。