【閲覧注意】とタイトルに書かれると、つい開いてしまいませんか?
思わずクリックしてしまうのは、カリギュラ効果=”禁止されると逆に好奇心を刺激されてしまう”心理現象が働くからです。
カリギュラ効果はマーケティング業界御用達のテクニック!
この記事では、
- カリギュラ効果の解説
- 対処法
- 使いこなすコツ
すべて紹介しますので、ぜひ最後までご確認ください。
カリギュラ効果とは?禁止されるとやりたくなる心理
カリギュラ効果を簡単にいうと、”禁止されると破りたくなる”心理効果です。
「決して覗いてはいけませぬ」と頼まれると見てしまうのは、古今東西さまざま物語の共通点。カリギュラ効果の発生に、文化や風習は関係ありません。
本能に訴求する強力な心理効果として、昔からマーケティング業界でよく使われてきました。
カリギュラの意味
カリギュラ効果は、ローマの皇帝カリギュラを題材にした映画に由来します。
内容の過激さから一部地域で映画を公開禁止にしたところ、逆にヒットしてしまったエピソードにちなんでカリギュラ効果と呼ばれるようになりました。
なお、カリギュラ効果は日本での俗称で、学術的には心理的リアクタンス(Theory of Psychological Reactance)と言われます。アメリカの心理学者ジャック・ブレームにより提唱されました。
カリギュラ効果はなぜ起こる?
カリギュラ効果、つまり心理的リアクタンスは、自由が外部から脅かされたときに生まれる反発心です。
人間には自分の意志で物事を選択しようとする本能があり、選択肢を狭められると咄嗟に反抗してしまいます。
- 読んでいた記事が、実は商品への広告誘導だった
- 上司ではない人から、急に命令口調で指示された
どちらも嫌な気持ちになりませんか?特に心の準備ができていないタイミングだと、素直に心理的リアクタンスが働きます。
他人にお願いごとをするときは、心理的リアクタンスを発生させないよう気をつけましょう。
カリギュラ効果の例
カリギュラ効果の例をみてみましょう。ダイエットや恋愛といった人間の欲に近い部分は、カリギュラ効果が発生しやすくなります。
というのも、カリギュラ効果の発生ポイントが下記の3つだからです
- 禁止されることが、その人にとって重要であること
- 禁止される行為の量が大きいこと
- 禁止してくる相手が、その人にとって脅威であること
まったく興味がないことを禁止されても、カリギュラ効果は発生しません。逆に、人生に密接な分野ほどカリギュラ効果が頻発します。
例1:「ダイエットしなきゃ!」と思うと食べてしまう
食欲は人間の3大欲求の1つ。厳しい食事制限のダイエットは、カリギュラ効果で失敗しやすくなります。
- 揚げ物は痩せるまで一切禁止
- 朝食以外は炭水化物を食べない
上記のように制限が厳しすぎると、強いカリギュラ効果が発生します。
無理な制限をつけるほどヤケ食いに走りやすいのも、カリギュラ効果なんですね。
例2:禁断の恋ほど燃え上がる
恋路を邪魔されると燃え上がってしまうのも、カリギュラ効果です。
さらに禁止してくる相手が本人たちにとって脅威だと、カリギュラ効果がより強くなります。
- ロミオとジュリエットのように親族一同から反対されている恋愛
- 不倫のように法律や常識でNGな恋愛
「リスクがあるほうが燃える」なんてセリフも、カリギュラ効果です。
カリギュラ効果の克服できる?対処法は?
カリギュラ効果はほぼ反射なので、克服は容易ではありません。しかし対処法はあります。
例えばダイエット中にどか食いしたくなっても、「カリギュラ効果だな」と自分を客観視してみましょう。ローカロリーのお菓子1個で落ち着くかも知れません。
禁止を破ったあとのペナルティを意識するのも効果的です。玉手箱を開けたら年を取ると知っていたら、浦島太郎だって好奇心で蓋は開けませんよね。
カリギュラ効果にかかることは避けられませんが、冷静さを保つことで振り回されずに済みます。
カリギュラ効果を逆にうまく応用するコツ
かかると厄介なカリギュラ効果ですが、うまく使えれば強力な武器になります。
コツは次の2つです。
- 禁止する物に興味をもたせる
- 相手が諦めないレベルの禁止を設定する
恋愛と仕事での応用例をみてみましょう。
恋愛での応用:相手を焦らす
わざわざ禁断の恋にしなくても、カリギュラ効果は有効です。
- 誘いを1回保留にしてから「時間作れたよ!」と返す
- 返信スピードを少し遅らせる
つまり相手が諦めないレベルでちょっと焦らして、思い通りにならない人を演出するわけです。そうすると、”気になる→焦らされる→もっと気になる”というループができて、夢中になってくれます。
ただし、恋愛でカリギュラ効果を使うなら、相手が少しでもこちらに興味を持っていることが大前提。
なんとも思ってない人から返信を焦らされても、”ただの連絡が遅い人”で終わってしまうので注意してください。
仕事での応用:チラ見せからの禁止
カリギュラ効果を仕事に取り入れるなら、一方的に押すのは厳禁です。
勝手に再生される動画広告や追従バナーが好きな人は、なかなかいませんよね。ゴリ押し広告は見ない自由がないため、反発心が芽生えるからです。
ポイントは、ターゲットが少なからず興味をもっていることをチラ見せすること。
商品やコンテンツのメリットを説明したあとに、
- 「数に限りがあるので、本当に必要な人だけ購入してください」
- 「ここから先は会員限定です」
と、制限をつけると購買意欲を刺激できます。
なお、ここで「必要かどうか資料を提出してください!」などとハードルを上げすぎると、「じゃあいいや」となってしまうので注意してください。
カリギュラ効果のまとめ
カリギュラ効果は、禁止への反発という人間の反射を使った強力な心理効果です。
仕掛けられると厄介な反面、すぐに応用できる使い勝手のよい心理効果ともいえます。
ただし、やりすぎはNG。
あまりに何度も使ったり、禁止のハードルを高くしたりすると、相手のやる気自体を削いでしまうので注意しましょう。
他にも使いやすい心理効果として、バンドワゴン効果とスノッブ効果があります。詳しくはこちらの記事で解説しています。