「フリーランスは即レスすべし」問題について、発注側受注側の両方を現在進行系で進めている私すめしから「結局どうするべきか」について解説します。
先日以下のツイートがバズり散らかしまして(普段のすめし比)嬉しい反面、140字に「誤解がなくなるレベル」の情報を詰め込む難しさも感じました。
ある程度の誤解は覚悟の上で敢えて強い言葉を選んだのですが(『炎上覚悟の上で言います』系のツイートは本来こうあるべきだと思っています笑)、なんとクソリプとかDMとか一切来ずにただただ静かに話題になっているみたいで、逆に怖い笑
ということでこの記事では即レスについて、140字で収まらない内容をぶちまけていこうと思います。
なお結論を先に書くと「できるやつはやれ、それに越したことはない。けど万人に向くわけではないと思うぞ?」です。
即レスは重要
誰がなんといっても「即レス」は絶対に重要です。そりゃできたほうがいい、間違いない。
仕事でつながっているクライアントがフリーランスに連絡を取るとき、その内容が「どうでもいいこと」のケースはほぼありません。体感的には99.9%仕事のことです。
具体的には、クライアントは何かを「知りたい」からフリーランスに仕事の内容を送っています。
- このテーマ書けそう?
- このページリライトしたいのですが、どう思う?
- 修正対応お願いします
これらの文面、実はすべて「知りたい」が隠れているのですよ。
- このテーマ書けそう? → 書けるかどうか知りたい、無理なら他の人へ回す
- このページリライトしたいのですが、どう思う? → どの方向でリライトすればいいのかを知りたい、もし可能ならそのまま書いてほしい
- 修正対応お願いします → どれくらいで修正対応できるか知りたい
つまり即レスをしない、という行動はクライアントの「知りたい」を蔑ろ(ないがしろ)にする行為なのですね。
だからクライアントは即レスできる人が好きだし、何かと都合がいい。ビジネス系インフルエンサーはSNSやYouTubeで「即レス大事!!」というわけです。
また連絡はキャッチボールです。
上の「書けるかどうか知りたい、無理なら他の人へ回す」の例からもわかる通り、ライター側が連絡をキープしている間はボールを持っていないクライアントは動けません。
クライアントにもさらにクライアントがいるケースも多く、その場合あなたのクライアントも締め切りに刻一刻と追われているわけなんですね。あなたの連絡が遅れることで、クライアントの納期がちょっとずつ苦しくなっていくのです。
だから受けたボールはなるべく早く返すことでクライアントの仕事が円滑に進み、喜ばれるわけですね。
ただ、即レスがすべてではない
しかし即レスがすべてではありません。フリーランスの能力を図る指標は、ほかにも山ほどあります。
- 結果を出すための基礎能力(SEOの見識、サイト運営経験など)
- コミットメントする力(クライアントにとって最善の結果を出そうとする気概)
- 人当たりの良さ(チャットやオンラインミーティング含む)
どれも単体ではなく、総合的にフリーランスの価値が決められます。
別にクライアント側がそういう指標を持って「このフリーランスは総合○点」とかやってるんじゃないですよ、無意識のうちにそういうところで観ているよね、という話です。
「即レス続けてたら別の仕事がもらえた」
「即レスしたら『いつも即レスで助かります』と感謝される」
という人も多いですが、即レスだけで気に入ってもらえているわけではないんですよ。
あくまで即レスは評価基準の一つでしかなく、他にも重要なことがあるわけです。
もっというと「上位表示の勝率が高い」や「いつも書くのが早い」などの過去の基盤があった上ではじめて「即レスしていただけて助かります!」となると思っておきましょう。
もちろん「即レス助かります!」と言われること自体は素晴らしいことですよ!
即レスと深く考える仕事は相性が悪い
ここで問題なのは、即レスを重要視することで犠牲になるものがあることです。
具体的には通知によって集中力が切れ、即レスによって今まで考えていたことが一旦横に置かれてしまうことですね。
人間の集中力は、基本的に通知程度の邪魔でも簡単に切れてしまうものです。
しかも一度切れた集中力は簡単に戻りません。一説によると20分以上かかる、という話も。
そこへいくとクライアントへの即レスと、ライター業務の本質である「膨大な情報を整理して、初めてそのトピックに触れる読者にもわかりやすいようにまとめる」作業はかなり相性が悪いといえるのではないでしょうか。
友人へのラインならスタンプ1つの返信で済むのでまだ集中も切れづらいかもしれませんが、クライアントへの返事となれば結構気を使うので、余裕で集中力が削がれるんですよ。
いや、私普通にできるので!
という人はどうぞやってください、それに越したことはありません。みんなハッピーです。
ただ私のように返信一つで集中力が削がれて情報の整理に時間がかかってしまう、記事の精度が落ちる、という方は無理に即レスにこだわる必要はないと考えています。
SEO記事を欲しがっているクライアントにとって、Webライターの最重要課題は「SEOに強く、かつ人間が読んでも深い、納得感のある記事を書くこと」であることを疑う人は少ないでしょう。
即レスをすることがかえってクライアントへのベネフィットを邪魔しかねないと考え、即レスをあえて諦めているのです。
いつまでに返事するべきなのか
とはいえクライアントの返信は、遅くとも当日中にはしましょう。
いつまでも相手のボールを持っていて、いいことなんか一つもありません!!
即レスをしないのは、あくまで集中力を切らさないため。集中が切れる3時間とかに一度は通知に目を通し、その場で返せるものは返しましょう。
また多少の調査が必要など時間のかかるものは「明日中を目処に見積もりいたします」みたいな感じで、とりあえず返事はすること。
これだけでボールを一旦相手に返すことになるので、相手への印象が全然違います。
即対応することでクライアントからの株が上がるケース
作業中に集中している流れを一旦ぶった切っても、すぐさま対応する必要があるケースを紹介します。
修正依頼、もしくは不備の指摘があったときです。
修正は結構立て込んでいるケースが多く、対応が早いとそれだけでクライアントへのベネフィットは強烈です。
また何かあった時に快くサクッと修正して謝れると仕事を依頼する側としても安心ですし、これからもお願いしたくなるもの。
当たり前の話なのですが、できていない人が多いらしく大事にしていきたいなと思っている部分です。
ライターとして大事なことは、結果を出すこと
ライターは「知らないことでも調べて自分の頭の中に落とし込んで、初めて情報に触れる読者にもわかりやすいようにまとめる」のが仕事。
だから中途半端な理解で書き始める、リサーチが薄くて誰でも書けるようなまとめ方をする、などは厳禁です。自分の運営するブログなどのWebサイトに、そんなテキトーな記事入れられたら普通に嫌でしょ?
そしてしっかりした記事を書こうと思うと、どうしても高い集中力が必要です。
ということで、冒頭のツイートで「即レスを意識して集中力を欠いちゃってるな、という自覚がある人は一度通知を切ってもいいんじゃない?」といいたかったわけです。
かくいう私は今やディレクター的なことをしながら私自身もゴリゴリ書いているので、結構難しいポジションなんですよね。
即レスは難しい、とわかっていてもやはりライターさんからの返信は早いほうが嬉しいんですよ。
でも私自身そんな即レスできないので、なんともむず痒い……。
完全にディレクターの立場になれば常にスマホを横において作業するでしょうが、それまではライターさん、クライアントさんにはちょっとだけ待っていただくことにします。