顧客に購入を促したいときに使う文章構成「PASONAの法則」。コピーライティングやセールスライティングの基本型とも言われます。
この記事では、PASONAの法則をわかりやすく解説し、さらに実際のLPでの使い方も紹介します。
PASONAの法則とは?新PASONAとの違いは?
PASONAの法則は、経営コンサルタントの神田昌典氏に提唱された広告文向けの文章構成です。
Webライティングの基礎がPREP法なら、コピーライティングの基礎はPASONAの法則ともいえます。
PASONAの法則には、ただの「PASONAの法則」と「新PASONAの法則」があり、やや構成が異なります。
- Problem:問題
- Agitation:煽り立て
- SOlution:解決策
- Narrow down:絞り込み
- Action:行動
旧PASONAの法則のAは「煽り立て」。恐怖心や焦りを利用します。「この教材を今のうちにやらないと、子供があとで苦労しますよ」のようなイメージです。
一方、新PASONAの法則になるとA・S・Oの部分が変わります。
- Problem:問題提起
- Affinity:親近感
- Solution:解決策
- Offer:提案
- Narrowing Down:絞り込み
- Action:行動
新PASONAの法則のAは「親近感」。「先行きが不透明な今、子供が大人になって苦労しないか心配ですよね」と顧客の悩みに寄り添う言葉が入ります。
比較すれば明らかですが、旧PASONAの法則は、顧客に不快感を与えるリスクがあります。売る商品によっては、悪質とも取られ兼ねません。
そこで、煽り立てない文章の型として新PASONAの法則が提唱されました。
以降この記事では、PASONAの法則=新PASONAの法則として扱います。
PASONAの法則で書くときのポイント
PASONAの法則のポイントを、1つずつ解説します。
- Problem:問題提起
- Affinity:親近感
- Solution:解決策
- Offer:提案
- Narrowing Down:絞り込み
- Action:行動
1.Problem:問題提起
最初に、顧客の抱える問題や悩みを明確化します。
給料は増えないのに税金は増え、生活が苦しくなるばかり。貯金だけで老後は大丈夫だろうかと心配になりませんか?
問題提起を行い、顧客に「そうそう!」「言われてみると、そうだな」と思ってもらうことが重要です。
2.Affinity:親近感
次に、共感でもって相手の悩みに寄り添います。
- 作者の苦労話
- 商品を作ろうと思った切っかけ
- 失敗経験 など
「これを書いている人も、私と同じだったんだな」と親近感を与えます。
私もそうでした。頑張って働いても、手取り額は減るばかり。貯金してもほとんど増えないし、何かあって外で働けなくなったらと、不安で仕方ありませんでした。
セールスレターやDMなどで、よく製作者の打ち明け話が書いてありますよね。「昔はこんなにダメだった」と語っている部分が、このAffinityにあたります。
3.Solution:解決策
顧客の悩みの部分に寄り添いつつ、「こうすればいいよ!」と解決策になる商品を紹介します。
しかし、とある方法に出会い、悩みが吹き飛びました。在宅ワークは稼げないイメージがありましたが、それは仕事のとり方を知らないだけだったのです。
この講座で、私がたどり着いたノウハウのすべてをお伝えします。
さらに、商品の特徴やメリットを書き、解決策が有益だと解説します。
ただし、ここで主観的な解説に終始するのはNG!一気に怪しげな印象になります!
数字を出して、客観的に説明するのがポイントです。
4.Offer:提案
Offerでは、顧客がその商品を選ぶべき理由を提案します。他の商品ではなく、この商品を試してみようと思えることが重要です。
そうはいっても、一度見てみなければ不安ですよね。
そこで、こちらのメールアドレスに連絡をくれた方にだけ、特別に前半の講義を無料でプレゼントします。
これがうまくいくと、購入までのハードルがぐっと下がります。
5.Narrowing Down:絞り込み
Offerで購入意欲を上げ、ここで「今、買うべきだ」と顧客が思える状況にまで持っていきます。
- 期間限定のセール価格
- 販売数の限定
- 販売期間の限定 など
上記のような制限をつけて「他の講座も比較していたら間に合わないかも!」と感じさせます。
第1回の講座の募集人数は5名です。
受講生のみなさんが成功するまでしっかりサポートしたいので、少人数に限らせていただきます。
ここで購入までの背中を押せないと、顧客に「あとで買えばいいか」と思われ、離脱されてしまいます。
6.Action:行動
最後の購入ボタンです。
「Narrowing Down」がうまくいっても、購入方法が見つけにくければ「やっぱりいいや」となってしまいます。
購入ボタンや申し込みボタンは、大きく、目立つ表示にしましょう。
PASONAの法則の具体例
PASONAの法則は、あくまで文章の型。実際は、カスタマイズして使われていることがほとんどです。
「ハブ式システマチックSEOライティング講座」のLP(ランディングページ)を例に、PASONAの法則で書かれた記事を詳しく見てみましょう。
LPの実際の構成
ファーストビュー
インパクトのある画像に、商品のキャッチコピーや要約を載せています。
PASONAの法則にはない部分ですが、Web記事でのリード文+アイキャッチにあたる重要な箇所です。
Problem:問題提起
顧客、この場合は初心者ライターが陥っている状況を具体的に描写しています。
全体のボリュームからすると短めです。
Affinity:親近感
- 自己紹介
- 悩みに寄り添いつつ、問題が発生している理由を解説
2パートに分かれていますね。
自己紹介のあと、過去の話を混じえつつ、悩みに寄り添う構成になっています。
Solution:解決策
複数のパートに分けて、解決策である講座の内容を解説しています。
- 商品(講座)の概要、特徴、メリットなど
- 受講者の声
- 講座内容の詳細
- デメリット
講座の紹介だけでなく、受講生の声やデメリットで客観性をプラスしているのがポイントです。
Offer:提案
- 特典の紹介
Solution部分で出したデメリットのカバーとして、特典を紹介しています。
流れはデメリット対策ですが、他の講座ではなくハブ式を選ぶべき理由にもつながっています。
Narrowing Down:絞り込み
ここから、講座の値段の話になります。
- サポートの解説
- 価格設定の説明
- 稼げなかったときの保証
期間限定の代わりに「今はこの価格とサポート体制だが、今後はわからない」という流れで絞り込みをしています。
Action:行動
- 購入ボタン
購入ボタン前にアイキャッチを置いて、流し読みでも見つけやすいよう工夫されています。
補足説明
- Q&A
- 追加説明
すぐにアクションをしない慎重派に向けて、不安になりそうな点を詳しく解説しています。
再Action:行動
購入ボタンを最後にもう1つ設置して終わりです。
例ではAction箇所が2つですが、LPによっては区切りごとにActionが配置されていることもあります。
商品に合わせたカスタマイズが重要
成約率を上げるには、商品やターゲットに合わせてLPを最適化することが重要です。
- 購入へ意欲的な層に向けてのページは、問題提起と共感が少なめ
- 悩みが曖昧な顧客を想定しているページは、問題提起の部分が丁寧
事前のターゲット分析が重要な点は、他のWeb記事と同じですね。
PASONAの法則はコピーライティングの基礎
PASONAの法則は、コピーライティングの基礎になる文章構成です。法則を知ったうえでさまざまなLPを眺めると、非常に勉強になります。
なお、詳しく学ぶには、提唱者の神田昌典氏の本を読むのが一番です。
新PASONAの法則は『稼ぐ言葉の法則』で解説されています。
電子書籍、オーディオブック版もありますよ。興味を持たれた方は、ぜひ読んでみてください。