スノッブ効果とは、簡単に言うと「他人とは違う、自分だけの特別なものが欲しい」と思う心の動きです。
実は広告や商品紹介でよく使われる心理テクニックですが、あなたは気付いているでしょうか?
この記事では、例をあげてわかりやすくスノッブ効果を解説します。
スノッブ効果を使う側に回ったときの注意点と、他の心理効果との合せ技もご紹介しますので、ぜひ最後までご確認ください!
スノッブ効果とは?希少なものに惹かれる心理
スノッブ効果は”珍しいもの、周りが持っていない希少のもの”に価値を見いだす心理効果です。
バンドワゴン効果、ヴェブレン効果と一緒に、アメリカの経済学者H.ライベンシュタイにより提唱されました。
- 期間限定、数量限定のものが好き
- 流行りものに抵抗がある
- 誰も持っていないものが欲しい
こういった心理は、すべてスノッブ効果です。
「希少なものに価値があるのは当たり前では?」と思ってしまいますが、価格決定の原理とスノッブ効果は次の点で異なります。
- スノッブ効果:珍しくて誰も持っていないから、価値を感じる
- 価格決定の原理:需要>供給量だから、価値が上がる
スノッブ効果は、商品全体の需要はあまり見ていません。むしろ、需要が増して話題になると購買意欲が下がってしまいます。
スノッブ効果の具体例
スノッブ効果をよく知るために、具体例をみてみましょう。
スノッブ効果は、広告以外のさまざまなシーンで活躍しています。
恋愛でのスノッブ効果|高値の花を好きになる
いわゆる『高嶺の花』にひかれてしまうのが、スノッブ効果です。
- 才色兼備で条件のよい人が好き
- 弁護士や医師、実業家のようなレアな職の人が好き
その人の中身や相性は度外視して「簡単に出会えない、手に入らない相手だから好き」という心理です。
逆に意中の相手を落としたいときも、その人を特別扱いすることでスノッブ効果が発生します。
「こんなに自分を大切にしてくれる人は、他にいないのでは?」と相手が思ってくれるからです。
広告でのスノッブ効果|『限定』にすると売れる
日本人が大好きな『限定』は、まさにスノッブ効果です。
- 「今だけの期間限定!」
- 「今年の初物です」
多少高くても買ってしまいませんか?
品質を上げなくても、希少性や特別感を演出すればスノッブ効果が発生します。地域限定でのキャラグッズが人気なのも、スノッブ効果でしょう。
投資でのスノッブ効果|逆張りしたくなる
株やFXなどの投資でも、スノッブ効果が見られます。
- 不人気株が好き
- 逆張りが好き
逆張りとは、相場が上がっているときに売り、下がっているときに買うことです。根拠なく逆張りしているときは、スノッブ効果にはまっているかも知れません。
一時的に需給のバランスが崩れて安いのか、本当に需要がなくて安いのかは大きな違いです。
逆張りが失敗しやすいと言われるのも、心理効果からの安心感だけで売買するパターンが多いからでしょう。
スノッブ効果を使うときの注意点
スノッブ効果は有用な心理効果ですが、人気が出ると売れなくなるというデメリットがあります。
他人との差別化に価値をおく心理なので、周囲が話題にしだすと希少性が弱まったと感じるからです。
- 商品を流通させすぎない
- 期間や地域をしっかり限定する
もしあなたがスノッブ効果を仕掛ける側なら、そもそも上記のような売り方が適したコンテンツか見極めが重要です。
またコンテンツ自体にも、特別感の演出が似合うレベルのクオリティが求められます。
一見簡単そうでいて、スノッブ効果は使い方が難しい心理効果です。
スノッブ効果と一緒に使える心理効果
スノッブ効果は、単体で使うよりも他の心理効果と使うほうが簡単です。
特に『ヴェブレン効果』と『バンドワゴン効果』は、よく一緒に使われています。
組み合わせ | 効果 |
---|---|
ヴェブレン効果+スノッブ効果 | 希少性+高価格=「貴重なものに違いない!」 |
バンドワゴン効果+スノッブ効果 | 希少性+人気=「今のうちに買わなきゃ!」 |
ヴェブレン効果(顕示的消費)
ヴェブレン効果は顕示的消費とも言われ、高級車やブランド品など値段の高いものほど購買意欲が増す心理効果です。
他人には買えないような物を手にして優越感と満足感を得たい心理が働いています。
スノッブ効果と大変相性がよく、使われるときはだいたいセットです。
- 「熟練の職人が一つひとつ手作りしています」
- 「数量限定で、今回だけ特別に輸入しました」
こんな商品説明をされたら、値段が高くても仕方ないと思いませんか?むしろ、高いことで商品の質が担保されたように感じますよね。
まさにスノッブ効果とヴェブレン効果の合せ技です。
バンドワゴン効果
バンドワゴン効果は、流行のもの、人気のものが欲しくなる心理です。
希少性を求めるスノッブ効果とは真逆の心理効果ですが、実は組み合わせて使えます。
- 「大人気商品につき、お一人様1個まで!次回の入荷は未定です!」
- 「大好評につき日程追加しました!チケットは先着順なのでお早めに!」
”人気”の安心感と、”今しか買えない”の希少性をうまくかけ合わせた広告です。最初に商品が人気になったときは興味を抱かなかった層にも、スノッブ効果を足すことで広く訴求できます。
バンドワゴン効果については別の記事で詳しく解説しています。
オンリーワン好きは他人に影響されやすい?
スノッブ効果は、他人との差別化に価値を感じ、オンリーワンを求める心理です。これだけ聞くと、流行に飛びつく人たちよりも、自分の目で商品選択をしているように見えますよね。
しかし、『スノッブ効果に弱い人は、流行にも弱い』という調査結果があるんです(参考:『同一消費者内で発生するバンドワゴン効果とスノッブ効果』)。
”流行好き”と”オンリーワン好き”は一見矛盾しますが、他人の購買行動に影響されやすい点で同じだからです。
なので、スノッブ効果とバンドワゴン効果は、ぜひセットで覚えましょう。
さらに、単独で使っても絶大な効果がある”カリギュラ効果”も知っておくと完璧です!