クラウドワークスなどのクラウドソーシング案件に応募した際、テストライティングを要求されることがあります。
ところが初心者ライターが、文字単価1円以上の案件でテストライティングに合格するのは困難です。理由は、同じテストに中級以上のライターも参加しているから。ライティング力では、到底太刀打ちできませんよね。
しかしテストライティングの合否を左右するのは、ライティング力だけではありません。初心者ライターにも十分チャンスはありますので、安心してください。
そこで今回は初心者が案件獲得のために、知って得するテストライティングをする理由と、合格率をあげるための方法を解説します。
悪質な依頼者を避けるための注意点や、テストライティングを免除してもらえる裏技もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
テストライティングとは?クラウドワークスでする理由
テストライティングは「文章を発注・納品する作業」を通じて、依頼者とライターがお互いを知るための手段です。初心者が多いクラウドソーシングでは、実力や人柄を知るためにテストライティングが頻繁に行われています。
テストライティングの内容は専用に作られた課題もあれば、通常の執筆依頼をテストとする場合も。決まった形式はありません。文字数も500文字〜1万文字と、案件によってばらつきがあります。
またテストライティングで見られているのは、ライティングの実力だけではありません。依頼者は記事を納品するまでのやりとりや、レスポンスの早さなど、すべてチェックしていると考えましょう。
ライター側は依頼者とのやりとり通じて、本契約を結ぶかを判断します。
初心者ライターがテストライティングに落ちる原因と対策
落ちる原因と対策として、考えられる点を紹介します。
- 納期遅れは不合格|1日前に提出する
- メールやチャットのやりとりは丁寧に|誤字脱字に注意
- レギュレーション(ルール)を守る|マニュアルは熟読
「初心者ライターはテストライティングに落ちて当たり前」と諦めるのはまだ早いです。落ちる原因を知り、対策を講じることで合格率をあげましょう。
納期遅れは不合格|1日前に提出する
テストライティングで、必ず守らなければいけないのが納期です。どんなに記事の内容がよくても、納期を守れなければ即アウトと覚悟しましょう。
どうしても間に合わない事情がある場合は、早めに連絡して許可を得るか、辞退するしかありません。
また課題の提出は、早いほうが印象はよくなります。最低でも納期の1日前に提出しましょう。
メールやチャットのやりとりは丁寧に|誤字脱字に注意
メールやチャットなど、文字でのやりとりは丁寧にしましょう。
Webでの依頼は、メールやチャットアプリなど文字でコミュニケーションをとることが多いです。文字は会話と違って、微妙なニュアンスが伝わりにくいですよね。悪気はなくても、相手を不快にさせることもあります。
相手に送る文章は何度も確認してから送信しましょう。最低限、「敬語は正しく使えているか」「誤字脱字がないか」のチェックは必須です。
レギュレーション(ルール)を守る|マニュアルは熟読
提示されたレギュレーションは守りましょう。依頼者は記事の外注用に、独自のレギュレーション(ルール)を設けています。
初心者ライターを採用する依頼者ほど、詳細なレギュレーションを決めていることが多いです。レギュレーションを含む、執筆に関わるマニュアル資料が10ページ以上なんてザラ。
そのため、ざっと読むだけでレギュレーションを見落とすライターは意外と多いです。
ここは他のライターと差別化するチャンス。マニュアルを熟読したかどうかは、提出した課題を見ればすぐにわかります。
レギュレーションをしっかり守れば、依頼者の信用を勝ち取れるでしょう。
テストライティングでライバルに差をつける3つの心得
初心者でもできる、テストライティングを有利に進めるための心得を3つお伝えします。
- 依頼者からの連絡には即レスを徹底
- 相手の時間を奪わない的確な質問
- 何度も確認してから記事を納品
基本的なことですが、意外とできていない人は多いです。
しっかり取り組み、ライバルに差をつけましょう。
依頼者からの連絡には即レスを徹底
依頼者から連絡がきたら、可能な限り早く返信しましょう。相手に安心感を与えれば、印象がよくなります。
内容の確認や返答に時間がかかるときは、まず一報を入れること。
「〇〇時までに内容を確認し、ご返信いたします」と再連絡の目処を伝えるとよいでしょう。
まずはいただいたメッセージを確認したことを、早く伝えることが重要です。
相手の時間を奪わない的確な質問
依頼者とのやり取りの中で、わからないことがでてくることもあります。
質問の仕方は大切です。慎重に考えてください。忙しい依頼者の時間を奪う行為は、減点対象になり得るからです。
理想的な質問は、こちらで答えを用意して選んでもらえるようにすることです。
タイトルのアイキャッチに使う画像の形式は、JPGかPNGのどちらがよろしいでしょうか?
<ダメな質問の例>
タイトルのアイキャッチに使う画像はどうすればよろしいでしょうか?
よい質問では、答えは2択か他の画像形式を返答するだけで済みます。
ダメな例は、具体的になにを聞きたいのかわかりません。以下のように多くの質問の意図がくみ取れますよね。
- 画像の形式を知りたいのか?
- 画像の引用元について知りたいのか?
- データのサイズを知りたいのか?
- 画像はどちらが用意するのかを知りたいのか?
依頼者の方からどの意図なのかを聞き返したり、すべてに答えてあげたりする必要が出てきます。相手の時間を奪わないように、じっくり考えてから質問しましょう。
何度も確認してから記事を納品
十分に確認してから記事を納品しましょう。テストライティングで納品する記事は一発勝負。
レギュレーションを守り、誤字脱字はもちろん、冗長表現や二重否定などに気をつけましょう。
以下のような確認方法は、さらに精度が上がるのでオススメです。
- 出来上がった記事を声に出して読み上げる
- Microsoft Wordの校閲機能を使う
- 翌日に再度読み直す
- 校正ソフトを使う
校正ソフトについては、下記の記事で4つのソフトを比較して紹介しているので、参考にしてみてください。
合格率アップ!Webライティングのテンプレートを活用
テストライティングに合格するためには、ある程度のライティング力は必要です。読みやすい文章を書くために、ライティングのテンプレート(型)を覚えましょう。
実践で役に立つ、代表的な2つのテンプレートをお伝えします。
- PREP法
- SDS法
PREP法を使った書き方
PREP法とは、最初に結論をもってくる文章のテンプレートです。SEO記事の大半はPERP法で書かれています。
説得力を高めるために効果的なので、プレゼンにもよく利用されます。
PREP法はWebライティングに欠かせないテンプレートです。必ず覚えましょう。
PREP法
PREPはPoint・Reason・Example・Pointの頭文字をとった呼び方。以下のような、4つの順番で書かれる型です。
型 | 意味 | 内容 |
Point | 結論 | 要点や主張・意思 |
Reason | 理由 | 結論にいたる理由・原因 |
Example | 例 | 理由の説得力を加えるための具体的な事例 |
Point | 結論 | ふたたび要点や主張・意思 |
PREP法を使った例文
PREP法を使った例文を紹介します。
型 | 意味 | 例文 |
Point | 結論 | 副業にはWebライターをオススメします。 |
Reason | 理由 | 特別なスキルは不要で、パソコンさえあれば、誰でもすぐにはじめられるから。 |
Example | 例 | クラウドソーシングサイトを利用すれば、依頼者と直接お金のやり取りはありません。トラブルが起こっても間に入ってサポートしてもらえるので安心です。初心者向けの仕事もたくさんありますよ。 |
Point | 結論 | 副業はノーリスクで、いますぐはじめられるWebライターがオススメです。 |
PREP法について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
SDS法を使った書き方
SDS法はPREP法を、より簡潔にした型です。
相手に自分の主張を強く伝えたいときや、理由を入れられない場合に使います。
SDS法と例文
SDS法は、Summary・Details・Summaryの頭文字をとった呼び方。以下の例文のように使用します。
型 | 意味 | 例文 |
Summary | 全体の概要・結論 | 歯が痛い。 |
Details | 詳細 | 鏡で口の中を見たら、親知らずが生えていた。 |
Summary | 全体の概要・結論 | 親知らずのせいか、ずっと奥歯が痛い。 |
SDS法について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
テストライティングの闇|悪質な依頼者に要注意
本来、依頼者とライターは、ビジネスにおいて対等です。しかし依頼者はライターを選べる立場にあるため、優位性があるのは事実。
その立場を利用して、テストライティングのシステムを悪用する、悪質な依頼者もいます。
- 約束した報酬を支払わない
- 報酬がゼロ、または極端に低い
- テストの文字数が異常に多い
- テストの記事数が1記事ではない
- テストと関係のない要望が多すぎる
- 不採用にしたライターの記事を無断使用
- メルマガやライン公式アカウントの登録を強要
- 初心者ライター向けの有料教材や講座を売り込んでくる
ほかにも立場の弱い初心者ライターを騙そうと、無理な要求をする依頼者もいます。
怪しいと感じたら、一度立ち止まって、まわりのライターやSNS上の仲間に相談しましょう。
初心者ライターはテストライティングをバネに成長する
経験の浅い初心者ライターにとって、テストライティングは絶好のチャンスです。報酬は少ないものの、記事に対するフォードバックや実際のやりとりを経験できます。
テストに合格すれば今後の自信にもつながり、ライターとして成長できるはず。
まずは積極的に挑戦しましょう。
裏技?テストライティングなしで案件を受注する2つの方法
テストライティングで得るものは多いです。とはいえ「もう初心者じゃない」「手間と時間がかかるので受けたくない」という場合もあるでしょう。
そこでテストライティングを提示されても、回避する方法を2つ紹介します。
- ブログを書く
- ポートフォリオを用意する
どちらも強力な武器になるものの、準備に時間がかかります。とくにブログは立ち上げに時間がかかりますので、案件に応募する前に用意しましょう。
ブログを書く|WordPressがオススメ
ブログを書けばライティング力だけでなく、Webマーケティングの知識と経験のアピールになります。
日記のような記事ではなく、SEOを意識したブログがいいでしょう。無料ブログはSEOをアピールできないので、WordPressがオススメです。
WordPressを立ち上げ、ブログを書くと、ライターとして必要なスキルの多くを体験できます。
- キーワード選定
- SEOの知識
- 構成作成
- 記事執筆
- 記事装飾
- 画像選定
- WordPressの操作・設定
依頼者は提示されたブログを見ることで、これらのスキルに関する熟練度を推し量れます。採用の基準に達していたら、テストライティングを免除してもらえる可能性があります。
ポートフォリオを用意する|noteやアメブロなら無料
ブログを一からはじめるのが大変な場合、ポートフォリオを作りましょう。ポートフォリオとは、職務経歴書のようなもの。過去の執筆経験の実績をメインにアピールできます。
自己紹介やアピールポイント、過去に受注した記事などを盛り込んで作成しましょう。
ポートフォリオは無料で使えるnoteやアメブロなど、使いやすいものでOKです。
ポートフォリオ向きの、Strikingly(ストライキングリー)やJimdo(ジンドゥー)などの海外サイトも人気ですね。
こだわりだすとキリがないので、凝りすぎないように注意しましょう。目的を考えると、見やすいデザインにすることが最重要です。
ブログと同様「テストライティングする必要はない」と判断してもらえれば、テストを免除してもらえます。
初心者でもテストライティングに受かる!ただし準備と対策は必須
初心者ライターの合格率は低いテストライティング。しかし準備と対策を整えれば、合格できる可能性は上がります。
本記事を参考に、相手に立場になって「ライターになにを求めているのか?」を考えましょう。
テストライティングに受かれば、継続案件や単価アップのチャンスもあります。悪質な案件は避けつつ、積極的にチャレンジしましょう。
文:西村一太郎(@rosiranta)
編集:ひろ(@HiroWriter)